2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on environmental education through the use of Prasiola japonica YATABE
Project/Area Number |
18K02969
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
石川 元康 日本大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40279766)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 環境教育 / カワノリ / 絶滅危惧種 / 生育環境条件 / 環境保全 / 淡水藻類 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的の1つはカワノリの人工養殖技術の確立である。現地調査によるカワノリ生育環境条件の把握,人工養殖実験を行うことで生育環境条件を定量化する計画である。2つ目はカワノリを環境学習の素材として利用したカリキュラム開発を行うことである。本種は古くから食用とされ,希少価値の高いものであることから,幅広い学習効果が見込まれる研究である。研究実績は以下の通りである。 ①カワノリの人工養殖技術の確立:カワノリ胞子を付着させたコンクリートU字溝を用いて養殖実験を行った結果,カワノリの発生が確認できた。9月に胞子を付着させたコンクリートU字溝を設置し,11月には5mm程度の幼芽が確認され,12月には7cm程度に生長し,12月下旬に全ての葉体が流出した。2023年2月には5mm程度の幼芽が再び出現した。養殖技術の確立に関しては,コンクリート製の基盤に成熟した胞子を付着させる際に,表面をスチーム殺菌,紫外線照射殺菌後,胞子を塗布することで幼芽の出現確率が高まった。また,カワノリ生育地の調査結果,富士宮市内16地点中8地点でカワノリの生育が確認され,生育地点は研究期間中横ばい傾向であることが確かめられた。 ②科学・環境教育カリキュラムとして活用するための教材化の研究:富士宮市立白糸小学校4年生18名を対象に2022年9月から12月までの計4回の環境教育を行った。第一回はカワノリの生態や歴史と養殖実験準備,第二回はカワノリの標本作成と水生昆虫による簡易水質評価,第三回は河川水の簡易水質評価とカワノリ生育地の見学,第四回は試食会とまとめを行った。受講者達の感想文をテキストマイニングした結果,絶滅危惧種の特産品への関心が高まり,その生育地である地元の川への環境保全意識向上が確かめられた。本学習プログラムを研究期間中実施した結果,科学・環境教育教材として効果があるものであることが示された。
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Remarks |
2022年9月8日(木)岳南朝日新聞:芝川ノリ養殖実験始まる 2022年9月15日(木)SBSテレビ LIVEしずおか:カワノリ研究の紹介(https://www.at-s.com/dogas/details.html?article_id=1123900) 2022年12月7日(水)岳南朝日新聞:養殖の芝川ノリ試食
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Research Products
(2 results)