2019 Fiscal Year Research-status Report
Large area monochromater for science education
Project/Area Number |
18K02972
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 誠 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (90413830)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モノクロメータ / 反射型回折格子 / 学生実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
廉価なレプリカ透過型回折格子を平板鏡表面に重ねて,反射型回折格子として機能させ,回折光の強度を確保することができることを確認した.この反射型回折格子を平行に配置し,1段目の回折格子で回折させた1次回折光を2段目の回折格子に入射させると,入射光と同じ方向に単色化された光が抽出される.しかし,装置をコンパクト構成しようとすると,隣接する波長も2段目の回折格子に入射し,出射角度は異なっても,大面積で光線をとりだそうとすると重なってしまうという問題が明らかとなった.これを解決するため,初年度は,回折格子を湾曲させることで,回折光を収束させ,波長ごとに異なる収束点に特定の波長を抽出するスリット設けることを検討したが,収束位置までの距離が波長ごとに異なり,角度の変更に加えて,回折格子間隔を適切に制御する必要があった.また,そのため,出射光線の位置が横方向に変化することを避けられないことが判明した. 実験用の光源として利用するためには,入射太陽光の光軸と出射光線の光軸は固定のままで波長可変とすることが望ましい.そのため,装置の交線部品が増えるデメリットはあるが,1段目と2段目の回折格子の間に集光用レンズを挿入し,焦点を通過する光線を抽出することで,2段目に不要な波長の光線が入射しない構成に変更した.1段目で回折された平行光線は,一旦,集光され再びレンズで平行光線に変換され,2段目の回折格子に入射する構成なので,回折格子間間隔は任意に設定できる.そのため,2段目の回折格子を出射光線軸上で平行移動させることで,波長の選択と,出射光の位置の固定を両立することができる. 一組のシリンダータイプのフレネルレンズを用い,約5cm角の入射光に対してモノクロメータを構成し,連続的に波長を掃引して単色の平行光線を固定した位置にとりだすことに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大面積で平行な単色光を太陽光から抽出するには,隣接する不要な波長の光線を遮断する必要があるが,その手法の確立に時間を要した.シリンダータイプのフレネルレンズを用いることで,装置を比較的コンパクトで軽量に構成できる見通しを得たが,2段目の回折格子の平行移動と途中に挿入するレンズとスリットで構成する波長選択部(コリメータ)の回転を連動して制御する機構を製作することに遅れが出ている. 試験的に,波長を掃引して,出射光のスペクトル測定から単色性の評価や,ニュートンリングの観察を行うことはできたが,安定に再現性良く利用できるには達していない.
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Strategy for Future Research Activity |
装置の基本構成は,現在のレンズとスリットによるコリメータを挿入した一組の平行配置反射型回折格子が適していると判断された.これをスムーズに駆動し,10cmの大面積で任意の波長を抽出する装置として完成させる.波長選択の駆動はリニアスライドとパルスモーター駆動のボールねじを用いで波長選択を容易に制御できる利用しやすい構成とする. 当初の計画通り,ヘリオスタットによる太陽光を入射光源として,本モノクロメータを機能させ,各種光学実験を行い,波長可変実験の教育的有効性を確認する.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で3月開催予定の学会の現地開催が中止になり,予定していた旅費の支出が無くなったため.
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Research Products
(1 results)