2020 Fiscal Year Annual Research Report
Large area monochromater for science education
Project/Area Number |
18K02972
|
Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 誠 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (90413830)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | モノクロメータ / 回折格子 / 太陽光 / 学生実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
強度が高く連続スペクトルである太陽光の特徴を活かした利用法として,分光器を用いた単色化光源の製作を目指した.可視域の光の波長を連続的に変化させる安価な学生実験用の光源は無く,赤外から可視,紫外に至る任意の波長の単色化した大面積の平行光を入手できれば,これまで演示できなかった様々な実験を教室内で実現できる. 安価なレプリカ透過型回折格子を平面鏡に貼り付けることで,高い回折光強度が得られる大面積の反射型の回折格子を実現した.これを分光器の要素部品としてモノクロメータを構成した.モノクロメータへの光源光の入射と単色光の出射の位置と方向を固定して装置を利用しやすくするため,一組の回折格子を対向させる構成を考案し,2段目回折格子の平行移動で任意の波長を抽出することを実現した.平行性と単色性を実現するため,1段目と2段目の回折格子の間にレンズとスリットで構成されるコリメータを挿入する工夫を加えた.その結果,5cm×5cmの面積で均一な波長広がり5nmの単色平行光を取り出すことができた. リニアガイドによる2段目回折格子のモーター駆動移動により波長選択を連続的に行うことを実現した.楔形間隙の干渉を波長掃引しながら動画撮影し,干渉縞間隔が色の変化とともに連続的に変化する様子を記録することができた. このモノクロメータのコリメータのスリット位置にスリットに換えて空間フィルターを挿入すると色の合成器を構成できる.干渉により発色する現象は身近に多く存在し,その発色は,連続スペクトルから特定の波長を抽出して混合したスペクトルによるもので,淡いピンクや緑,紫といった独特の色合いを持つことが多く,その色合いをこのモノクロメータから派生した色合成器で再現できることを確認した.この観察結果をもとにこれまで発色機構が不明だった,太陽光に照射された蜘蛛の糸が虹色に輝く現象を解明することができた.
|
Research Products
(2 results)