2019 Fiscal Year Research-status Report
熟練技能継承のための教育訓練数学的モデル構築とその実証的研究
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18K02974
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Research Institution | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
Principal Investigator |
山下 龍生 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 特任助教 (20750772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 拓男 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (20744775)
遠藤 雅樹 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (00648967)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 職業能力開発 / 技能科学 / 科学教育 / 最適化問題 / ポートフォリオ / 熟練技能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は技能訓練の訓練指導員が取得し得る膨大かつ様々なデータを検証し、熟練技能を継承する上で必要なパラメータを特定して訓練モデルを作成するものである。これまでの訓練成果の評価は訓練指導員の主観によるところが大きく、熟練技能の継承において標準モデルの作成は急務の課題となっている。しかし、教育や訓練の成果は暗黙知の伝承であり、その成果が見えにくく技能訓練において有用な数理モデルは存在しない。そこで、我々は熟練技能者の競技大会である技能五輪国際大会の結果を熟練技能の習得度、教育訓練の成果として捉え、技能五輪国際大会の訓練で得られる様々なデータを分析することで、教育訓練と訓練成果の関係を数理モデルとして標準化する。 平成30年度、31年度は技能五輪全国大会「情報ネットワーク施工」職種の競技委員として技能五輪全国大会に参加し、熟練技能の習得度の指標となる課題の作成および採点に携わっており、令和2年度も継続していく予定である。また、31年度は第45回技能五輪国際大会に出場する日本代表選手とその所属企業に大会期間中同行し、技能五輪国際大会で熟練技能の継承に必要な訓練データを収集した。 訓練モデルの数理モデル化については技能五輪全国大会の結果からモデル化を行っている。モデルとしては金融工学の投資モデル、特にポートフォリオ理論をもとにモデル化を行った。実際の計算については最適化ソフトを用いて計算を行い、工学教育を中心に研究結果の発表を行っている。今後有用な結果が得られれば順次公表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り技能五輪国際大会、技能五輪全国大会等を通して様々なデータを収集することができた。具体的には熟練技能者の大会である技能五輪全国大会「情報ネットワーク施工」職種の競技委員として大会に参加し、課題の作成および採点に携わるこで、教育訓練の成果として捉える予定の大会結果のデータを取得することができた。さらに、技能五輪国際大会では、出場した各国の指導員や選手から有益なデータを収集した。また、出場選手が所属する企業の訓練現場で訓練内容を視察する機会を得て、教育訓練と訓練成果のデータを収集している。 訓練の数理モデル化も進んでおり、熟練技能を効率的に継承するためにどのような訓練計画を策定すれば良いか最適化問題を用いて提案している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りこれまで得られたデータをもとに訓練モデルの修正を行っていく。モデルとしては金融工学の投資モデル、特にポートフォリオ理論をもとにモデル化を行っているが、様々なモデルを検証していく予定である。また、今年度も多くのデータを収集して、より現実に即したモデルを目指す。 今後は実証研究を通して研究者のみではなく、実際に現場で選手の指導をしている指導員が訓練計画を策定する際、参考にできるよう改善していきたい。
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Causes of Carryover |
概ね計画的に予算を執行しているが、今年度はコロナの影響で次年度使用額が生じた。
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