2018 Fiscal Year Research-status Report
二重過程理論とARSを活用する農薬のリスクコミュニケーション技法の開発
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18K02979
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
巣山 弘介 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70284023)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 農薬 / 教育 / リスクコミュニケーション / 二重過程理論 / オーディエンス・レスポンス・システム / ケースメソッド / ICT / 授業外学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、一つの化学物質が農薬取締法に基づく登録を受けて上市に至る過程や上市後に行われる食品や環境への残留量調査を、それらに携わる人々の仕事のイメージが浮かぶような「一連のストーリー」にして示すスライド教材を作成し、ARS(Audience Response System)も活用しつつ行うリスクコミュニケーション技法の開発を目指すものである。 一方、本研究を開始した時期から国会において「農薬取締法の一部を改正する法律」の審議が始まり、その後公布された。よって、その具体的な内容をスライド教材に反映させる必要が生じたため、関連する学会やシンポジウムに参加して情報収集を行った。そして、改正内容の一部を盛り込んだスライド教材を作成し、担当科目にて講義を行った。さらに平成29年度から試行していた「ARSを活用するケースメソッド」を充実させ、同科目にて実施した。そして、ARSを用いたアンケート結果や感想文の内容からその有効性を検証した。 また、具体的な農薬に対する興味を喚起することを目的に、ICTを活用して自主的な学習を行うための手順を示した資料を作成して3つの科目の受講生に配布した。そして、ARSを用いたアンケート結果や感想文の内容からその有効性を検証した。 さらに、それらについて日本農薬学会第44回大会にて2件の一般講演を行うと共に展示ブースを設けて公表したところ、約130名に関係資料を配布することができ、その一部には開発したスライド教材を提示して意見等を聴取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、一つの化学物質が農薬取締法に基づく登録を受けて上市に至る過程や上市後に行われる食品や環境への残留量調査を、それらに携わる人々の仕事のイメージが浮かぶような「一連のストーリー」にして示すスライド教材を作成し、ARS(Audience Response System)も活用しつつ行うリスクコミュニケーション技法の開発を目指すものである。 一方、本研究を開始した時期から第196回国会(平成30年通常国会)において「農薬取締法の一部を改正する法律」の審議が始まり、その後成立して平成30年6月15日に公布された。よって、その具体的な内容をスライド教材に反映させる必要が生じたため、関連する学会やシンポジウムに参加して情報収集を行った。そして、改正内容の一部を盛り込んだスライド教材を作成し、担当科目である「農薬環境科学」(平成30年度の受講生:52~66名/回)にて講義を行った。さらに平成29年度から試行していた「ARSを活用するケースメソッド」を充実させ、同科目にて実施した。そして、ARSを用いたアンケート結果や感想文の内容からその有効性を検証した。 また、具体的な農薬に対する興味を喚起することを目的に、ICTを活用して自主的な学習を行うための手順を示した資料を作成して平成30年度後期の3つの科目の受講生(61,36および87名)に配布した。そして、ARSを用いたアンケート結果や感想文の内容からその有効性を検証した。 さらに、それらについて日本農薬学会第44回大会にて2件の一般講演を行うと共に展示ブースを設けて公表したところ、約450名の参加者のうち約130名に関係資料を配布することができ、その一部には開発したスライド教材を提示して意見等を聴取した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の農薬取締法の改正項目の一部は、平成32年4月1日に施行されるが、その具体的な内容は今後決定されるため、引き続き情報収集を行って、スライド教材に反映させる。そして、それを用いて講義を行った上で、ARSを用いたアンケート結果や感想文の内容からその有効性を検証しつつ、さらに洗練させていく。 また、ケースメソッドに関して、討議への参加やARSによる回答をしない学生への対応策、また、ICTを活用する自主的な学習の実施者率の向上策を検討する。その上で、二重過程理論等を参考にそれらの学習効果等を分析しながら継続・改善し、「感情に動機づけられ,かつ科学的論拠に基づく合理的な理解や判断を促すような授業方法」および「様々な立場を理解し,かつ対話や共考を通じて多様な情報や見方を共有する姿勢を養うような授業方法」の開発を進める予定である。 さらに、開発したリスクコミュニケーション技法の適用対象を学生以外にも広げていく。特に、小学校、中学校および高等学校の教諭など、次世代の育成に携わる社会人も対象として実施、検証していく予定である。
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