2018 Fiscal Year Research-status Report
実測と公的情報を活用した地域の自然災害・大気環境に関する教材開発とその手法提案
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18K02982
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
飯野 直子 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (80284909)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自然災害 / 大気環境 / 地域教材・素材 / データアーカイブ / 探究的な学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
「深い学び」のための題材として,九州の大気環境や自然災害を児童・生徒が探究的に学習するための素材収集や教材化を行なうこと,探究的な学習における児童・生徒自身による体験的活動の利用に適した機材やその使用方法を検討することを目的として研究を行なった. 桜島火山は生活圏内で長期にわたって活発に活動している活火山であるため,火山活動や大気環境の観測が充実している.これらの観測結果は,インターネットを介して公開されているので,学校教育における探究的な学習でも容易に利用できる.学校現場におけるICT活用環境も整ってきていることから,研究代表者らが定点観測用のカメラを設置して,観測・インターネット公開している定点カメラ画像や,作成・公開している桜島に関するデジタルコンテンツも含めて,探究的な学習における公的機関のデータ利用について桜島噴火の教材化を例に整理した. 九州各地に設置している定点観測用カメラについて,機材劣化やネットワーク環境の変化に対応するために観測機材やシステムの更新を行なった.観測結果の画像アーカイブおよびデジタルコンテンツの作成を行った. 自治体が測定し,環境省がWeb公開している微小粒子状物質濃度の速報値と安価な微小粒子状物質の簡易測定器による測定結果を比較したところ,学校教育用の教具としての有用性が確認できたので,簡易測定器を用いた測定活動を取り入れた,小学校第6学年理科最終単元における微小粒子状物質の教材化を行った. 小学校教員向けの研修会において,小学校理科新学習指導要領における自然災害に関する内容の充実について,単元ごとの取扱いと学習活動において役立つ情報を得られる公的機関のサイトの紹介を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の実施計画に基づいて研究が進んでおり,成果発表も行なうことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
環境や災害に関する学習素材・教材はできるだけ新しいものを使用することが望ましいため,前年度に引き続き,自然災害に関する情報や大気環境に関するデータの収集や観測・解析を継続するとともに,教材用のモデルの作成および検討を行う. 本研究で観測したデータや撮影や処理を行った画像を教育用の素材として提供するために,空を連続撮影した画像や,実測データ,衛星画像などを“学校現場で利用しやすい形”でアーカイブ・Web公開する方法について検討し,素材データベースを構築する. 火山灰・ガスの輸送や大気環境への影響についての基礎研究として,桜島,新燃岳,阿蘇などの噴煙・火山ガスの移流拡散,高濃度SO2事象について,教材化に適した最近の事例を検討し解析と教材化を行なう.
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Research Products
(5 results)