2018 Fiscal Year Research-status Report
様々な実用的光システムの構築が可能なブロック状光学実験教材の開発
Project/Area Number |
18K02994
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
馬場 一隆 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (10192709)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 実験教材 / 光素子 / 光システム / 光ピックアップ / レーザ光源 / 偏光 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブロック状光素子は,受講者がその機能を直感的に理解でき,かつ取扱いが容易で,安価に提供することができる新しい光学実験教材として申請者らにより提案・開発されてきた実験キットである。その基本的な形状は,立方体もしくは直方体であり,光が透過する面は,すべて同一の大きさの正方形(本研究で試作した素子は20mm×20mm)に統一されている。原則的に光のビームがこの正方形断面の中心を通るように定めることで,各光学素子の配置や光軸の調整を容易にしている。本研究では,その優れた特徴は維持した上で,固定法を抜本的に改善するとともに,電子部品も内部に組み込み,安定性に優れた実用的光システムも構築できる新しい汎用性に富む光学実験教材を開発することを最終的な目的としている。 平成30年度は,ブロック状光素子を用いた実用的な光システムの例として,光ピックアップや糖度計等をとりあげ,その試作と改良を行った。先ず,それらを構成するために必要なレーザ光源,偏光子,偏光ビームスプリッタ,λ/4板,光デティクタ,液体試料用のセル等のブロック状光素子を多数製作した。レーザは,市販のレーザーポインタを分解してブロック内に収まるように加工し,複屈折を持つ透明プラスチックシートをλ/4板として出射端に貼り付け,円偏光を出力するようにして,別にアクリルブロックに偏光フィルムを貼り付けて製作した偏光子と組み合わせることで,容易に任意方向の直線偏光を同程度の出力強度で取り出せるようにした。また,増幅器等の電子部品部などもブロック状光素子のシステムに組み込むことができるように開発した。最終的には光ピックアップ等において,良好な動作をする光システムを,ブロック状光素子を用いて実現することができた。次年度以降は,ブロック玩具をベースにしたプロトタイプのシステムを構築して,検証を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の過程で見出された細かな問題点も順調にクリアしできている。例えば,使用者の安全を考慮して,レーザの出力を弱くしたため,日光や室内照明等の外部光の影響により,一部の実験メニューで測定誤差が大きくなる傾向が見られたので,様々な対応策を考案して実験的に比較し,最も簡便な方法として,光デティクタに波長フィルタ(色セロファンで代用)を装着する方法を選択して,良好な結果を得ることができた。その結果,最終的には光ピックアップ等において,良好な動作をする光システムを,ブロック状光素子を用いて実現することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31(令和元)年度は,ブロック玩具をベースにしたプロトタイプの試作とそれを用いた実用的光システムの試作・検証とブロック状光素子をマウントする治具の改善を行う。令和2年度は,素子の最終形の確定と公開講座や本校のPBL授業等での教育効果の検証を行ない,得られた結果を取りまとめ,成果の発表をおこなう。 なお,本研究は,申請者の単独研究であり,研究分担者はいない。
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Causes of Carryover |
年度末に計画していた国内出張を2件,校務対応のため中止したため,最終的に若干の残金を出してしまった。次年度予算として計上していた物品費等と併せて執行する計画である。
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