2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and elucidation of the career development mechanism of female engineers focusing on career transition
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18K02996
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Research Institution | Osaka Prefecture University College of Technology |
Principal Investigator |
中谷 敬子 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60295714)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | キャリア発達 / 内的キャリア / 統合的ライフプランニング / ナラティブアプローチ / 理工系女性技術者 / トランジション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、若年からベテラン層(60歳代)までの幅広い世代に対して、多様化する働き方や環境でキャリア構築を続ける個人のキャリア意識の聞き取り調査と分析としてのキャリアデザインアプローチを実施した。加えて、働き方・環境の多様化による新たな課題を抽出し分析した。ベテラン層の幅を広げて、50代~70代に対して聞き取りを実施した。過去に積み上げてきた、長期スパンのキャリア構築プロセスに加えて、キャリアのテーマが変化する場合があり、その場合のキャリアシフトにおける、個人の心理の変化にも注目している。多様な個人を効果的にサポートし、そのキャリア発達を支援する場としてのコミュニティの設計の準備が整い、本研究の主張するキャリアの再解釈と統合的なライフ・プランニングとトランジション・プロセスに着目した協働的なキャリア支援の場の設計の方法論の活用のための効果の仮説設定 と検証準備が整った。 特に、具体的な計画の中で、注目する実績は、【女性技術者のベテラン層の個人のキャリア構築プロセスの意識変容のメカニズム解明】である。 ベテラン層のキャリア発達プロセスを解明する。また、自身の価値観の最も重要な部分を統合することが指摘されている、45歳以降での第二成人期のキャリア構築プロセスの意識変容のメカニズム解明に注力している。これにより、キャリア構築後期での心的変容のメカニズムを明らかにする。このキャリアステージの個人は、所属する社会・環境もより複雑になっていると予想され、H.Gelattが提案する「積極的(肯定的)不確実性モデル」といった新しい意思決定モデルを用いながら、意思決定、意識転換を遂げていくプロセスを解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
特に、具体的な計画の中で、これまで深くヒアリングを重ねての研究分析が多くはなかった、女性技術者のベテラン層の個人のキャリア構築プロセスの意識変容のメカニズム解明に着手できた点を理由として挙げる。トランジションが、単なるキャリア発達の積み上げだけでなく、過去からの連続線上にはない、キャリアテーマの大きな変化を伴う場合が複数見られる。この場合、個人は、これまでのプロセスを効果的に活用できず、新たな価値観と決断を迫られるプロセスに移行するようである。このベテラン層のキャリア発達プロセスをより深く観察している。このことが、研究計画当初から考察項目としている、自身の価値観の最も重要な部分を統合に当たるとみている。45歳以降での第二成人期のキャリア構築プロセスの意識変容のメカニズム解明に、計画以上の成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の女性技術者のベテラン層の個人のキャリア構築プロセスの意識変容のメカニズム解明を、引き続き進める予定である。特に、彼女ら自身の価値観の最も重要な部分を統合に焦点を当てたヒアリングと分析を行う。 加えて、当初の予定通り、女性技術者の若年~中堅層の個人の価値観と環境の統合不全の解決方法の解明のための場の設計を具体化し、長期スパンのキャリア構築プロセスにわたり、多様な個人を効果的にサポートし、そのキャリア発達を支援する場としてのコミュニティの設計し、実施する。その場において生じる個人間の相互作用を観察することにより、本研究の主張するキャリアの再解釈と統合的なライフ・プランニングとトランジション・プロセスに着目した協働的なキャリア支援、キャリア発達プロセスを観察、分析する。
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Causes of Carryover |
平成30年度に購入予定であったソフトウエアの購入手続きに時間がかかり、年度内の購入ができなかったため。次年度(2019年度)に購入予定。
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Research Products
(9 results)