2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and elucidation of the career development mechanism of female engineers focusing on career transition
Project/Area Number |
18K02996
|
Research Institution | Osaka Prefecture University College of Technology |
Principal Investigator |
中谷 敬子 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60295714)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | キャリア発達 / 統合的ライフプランニング / ナラティブアプローチ / 理工系女性技術者 / 場の設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナラティブな語りから個人の価値観とキャリア構築プロセス、特に、転換期(両立育児を含む)におけるキャリア発達プロセスのメカニズムを解明し、その特徴を異なる年齢層、キャリア層へ相互フィードバックする場を設計し、女性技術者の意識変容とその発達プロセスに与える影響と効果を解明することを目的とする研究である。 今年度は、具体的には、キャリアコンストラクションインタビュー(CCI) によるライフデザインアプローチを複数の女性研究者・技術者に対して実施した。ベテラン層の女性技術者の特徴として、若年層に比べて、社会貢献に対する意識が高くなっている傾向が見られた。特に、専門知識や、その領域での経験を後進の若年層の技術者や、理工系を志す若者に伝えることに意欲があった。また、多くの女性技術者が両立に対する考えを確立しつつも、悩みを抱えており、同世代との意見交換や、より小さな子供を持つステージの働く女性との意見の交換の場が有効であるという考えを持っていることが分かった。 このことは、本研究の場の設計において大きな影響と、加えての指針を検討する必要性を示している。すなわち、大人だけではない、大人と学生の交流、意見交換、女性技術者としてプロとして生きていく支援の役割を担う場に学生や、もしかすると、より若い世代との交流の側面を含めることである。今年度のヒアリング、実践は、場の設計に、世代の幅をより広くとることで、より効果的で独創的な効果を与える可能性を示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度のヒアリングから、ベテラン層の女性技術者の特徴として、若年層に比べて、社会貢献に対する意識が高くなっている傾向を掴んだことにより、研究計画当初のキャリア発達支援の場の設計には含めていなかった、学生、それよりもっと若い世代の少女少年たちをも含むことが有効であることに気づいたからである。 キャリア転機を迎えている世代の女性技術者は、専門知識や、その領域での経験を後進の若年層の技術者や、理工系を志す若者に伝えることに意欲があった。また、多くの女性技術者が両立に対する考えを確立しつつも、悩みを抱えており、同世代との意見交換や、より小さな子供を持つステージの働く女性との意見の交換に積極的であり、かつ実践力を持っていることも分かった。 結果として、設計すべき女性技術者・研究者のキャリア発達を相互に能動的に進めるための支援の場の構成員が、より幅広い世代を想定することを今後の研究計画に盛り込むことにより、想定以上の内容になることが期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
先にも述べた通り、今年度のヒアリングから、キャリア転機を迎えている世代の女性技術者は、社会貢献に対する意識が、若い世代よりも高い傾向を持ち、専門知識や、その領域での経験を後進の若年層の技術者や、理工系を志す若者に伝えることに意欲的である。このことをもっと掘り下げて、彼女たちの支援を、彼女たちが自身のこれまでの経験や知見を積極的に発信する側面を、場の設計に盛り込む予定である。 具体的には、設計すべき女性技術者・研究者のキャリア発達を相互に能動的に進めるための支援の場の構成員が、より幅広い世代を想定することを今後の研究計画に盛り込む予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症のため、実施予定のヒアリング等が実施できなかったため。 翌年度分として請求した助成金は、2019年度に実施予定で延期していた女性技術者への追加のヒアリングを行う予定である。
|
Research Products
(8 results)