2019 Fiscal Year Research-status Report
経済格差と社会保障に関する主観的公平・公正とナショナルアイデンティティ
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18K02998
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
今在 慶一朗 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40359500)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 分配的公正 / ナショナル・アイデンティティ / 福祉政策 / 経済格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度末に行った質問紙調査のデータを分析し、結果を論文としてまとめた。現在、当該論文は審査中である。このため、審査者からのコメントに基づき修正の可能性は多分にあるが、現時点での暫定的な結果の概要は以下の通りである。 ----- ナショナル・アイデンティティは集団同一性の一種であることから、一般に、社会の中に存在する経済格差に対する否定的態度や、全ての人々に対する福祉政策に対する支持を促進すると考えられる。本研究では、ナショナル・アイデンティティ、福祉に対する思想、分配的不公正感の関係について調査を行った。その結果、福祉政策に対する志向性と分配的不公正感の分析を通じて、同一視による効果が確認された。同一視は分配的不公正感を抑制する一方で、自律性志向を促進することから、全体的に見れば、現に存在すると考えられる経済格差に対する関心を抑制し、貧しい人々に対して自助努力を求める傾向を強めると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は全体で3年計画のものであるが、初年度中にデータの収集を終え、結果を論文としてまとめ、学術誌に投稿しているため。現在初稿に対するコメントを受けて、改稿し、再度投稿中の状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿中の原稿に対する批判を検討し、改稿作業を行う。掲載、不掲載にかかわらず、可能な限り改稿を行い、学術雑誌、紀要などへの掲載を目指す。また、その過程で新たな関心が生じた場合にはデータを再分析し、結果を別途まとめる。
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Causes of Carryover |
学会での発表よりも論文による成果発表を優先したため、旅費を使用することがなかった。
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