2021 Fiscal Year Annual Research Report
Social psychological study of migrants' region preferences and adjustment processes in local migration
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18K03009
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
加藤 潤三 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (30388649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前村 奈央佳 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50632238)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地方回帰型移住 / 移住者 / 地域選択 / 適応 / 移住帰還者 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、地方移住に対する関心が高まっている。しかし地方移住における理想と現実は必ずしも合致するわけではなく、強い希望を持って移住したにもかかわらず、うまく地方に適応できず、移住の継続を断念するケースも少なくない。本研究は、この地方移住を断念した人を『移住帰還者』と定義し、移住を断念するに至った要因やプロセスについて検討することを研究の主目的とした。 この目的を検証するために、移住帰還者(18歳以降に地方移住した経験があり、地方移住をやめて別の地域に移動した経験がある人)を対象とするWeb調査(全国を対象に地方6区分で対象者を割り付け)を実施した。調査の結果、204名から回答を得ることができた。ただし地方移住でない移住や現在の地方移住について回答したもの、明らかな無気力回答など、データをクリーニングした結果、145票(男性72名、女性73名、平均年齢47.0歳(11.59))が有効回答となった。 調査結果の一部として、「地方移住を最終的にやめることを決断するに至った経緯」に対する自由記述回答に対して、KH Coder(樋口,2004,2020)による計量テキスト分析を行った。同義語および表記ゆれを修正した後のデータの基本的な特徴として、総抽出語数3192、異なり語数932であった。抽出語のうち、出現頻度が5回以上のものが96語あり、上位の頻出語としては、「仕事」、「地元」、「戻る」、「移住」、「生活」、「自分」、「配偶者」といったものがあげられた。次に抽出語による対応分析の結果として、性別を外部変数とした場合、男性では「仕事」、「実家」、「体調」などが布置し、仕事や実家との関わり、体調面が移住を断念する経緯となっていた。女性では「結婚」、「配偶者」、「人間関係」、「交通機関」、「生活」、「余所者」など人間関係とそこにおける排除、生活上の問題が経緯となっていることが示された。
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Research Products
(3 results)