2018 Fiscal Year Research-status Report
社会心理学的視点に基づくプランニングゲームの開発と評価
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18K03014
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (70214830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美枝子 流通経済大学, 社会学部, 教授 (30207922)
杉浦 淳吉 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70311719)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シミュレーション&ゲーミング / プランニング / コミュニケーション / 計画錯誤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、次の2つの課題を達成するために、3年計画の1年目として研究を行った。(1)社会心理学の知見と研究手法を用いて、プランニング(計画立案)能力を高めるゲームの開発とその評価を行う。(2)立案したプランを現実場面で実行するために必要となるコミュニケーション能力、特に「課題をやらないと説明して断る能力」を高めるためのゲームの開発と評価を行う。 2018年度の課題は次の3つであった。(1)プランニングにおけるアンパックの有効性の確認。(2)ルールの解釈の分析。(3)ゲームがプランニング能力を高めることの確認。実験については、分析が終了していない一部の実験については、順次分析を進めて行く予定である。結果の概要として、アンパックは所要時間の見積もりの精度を高めた一方で、アンパックしてプランニングをさせることは、当初予想したようにゲームのパフォーマンスと結びつかない可能性が示唆された。むしろプランニングしたりやゲームについて考えたりする経験が、参加者の自律性を高めたり、リーダーシップをとろうしたりする、という別の側面での学習を促進したためではないかと考えられる。 得られた成果については、論文発表および学会発表を行った。1つの論文を発表し(Kikkawa & Sugiura, 2019)、3編の論文を国際シミュレーション&ゲーミング学会第50回大会で発表予定である。さらに、Simulation & Gaming誌に投稿査読中のものが1編ある。学会発表としては、日本シミュレーション&ゲーミング学会大会において、試行中のゲームの体験セッションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の分析の結果、一部当初予想と異なる結果が得られた。これについては、仮説を見直すのではなく、測定指標の見直しをする必要があると考えている。また、熟達したプレーヤと初心者のプレーヤの発話の分析については、ビデオの撮り方の技術的な問題を解決するのに時間がかかったが、目途が立ったので、発話内容の分析へと進めて行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究については、予定通り進行していく。ただし、実験手法については、見直しが必要な者があると考えているので、確認のために新たな実験を実施することも検討している。他方、基本的な情報は得られたと考えられるので、当初予定通りのゲームの開発に着手する。また、思考しているものについて、可能な限り同分野の専門家との意見交換を学会の場や公開研究会の場で行い、改良を進めていく。
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Causes of Carryover |
資料収集において、できるだけ資料を共有する方針で融通しあった結果として、物品費を減らすことができた。繰り越し分については、追加で実施を予定している実験の費用に充当したいと考えている(物品費および謝金)。
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