2023 Fiscal Year Research-status Report
感情共有の機能に関する実験的検討:関係構築と集合的態度形成における役割
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18K03017
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 知恵 明治学院大学, 心理学部, 教授 (50407574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 めぐみ 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (40706941)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 社会心理学 / 社会的認知 / 感情共有 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には,2022年度に実施した研究10「コミュニケーション相手の集団成員性とコミュニケーションの開放性が感情共有と結びつき知覚に及ぼす影響:LINEトーク画面を用いた検討」を論文として発表した。また研究11「感情共有が関係構築と感情表出に及ぼす影響」を学会にて研究報告した。この研究は,研究9「Effects of affect sharing on coalition with communication partner」(2022 APA Annual Conventionにて報告済)の手続きを一部修正したものである。また2023年度に実施した研究12の結果を分析し,2024 APA Annual Conventionにて報告するため準備した。さらにコミュニケーション・チェーンを扱う研究13,また研究10の手続きを一部修正した研究14をオンラインで実施した。いずれも今後の学術学会大会にて発表の予定である。 「研究13:コミュニケーション・チェーンにおける感情共有の役割に関する検討」他者から受け取ったエピソードを,次に自身が送り手となり別の他者に伝達する際の感情共有の役割について検討した。その結果“おもしろい”感情を共有した場合には外集団成員に対し感情表出し“かわいそう”感情を共有した場合には内集団成員に対し感情表出することが示された。 「研究14:送り手に対する関係構築意図が受け手の感情共有と感情表出に及ぼす影響」研究10における集団成員性の操作を関係継続性に変更し,参加者をコミュニケーションの受け手とするシナリオ実験を実施した。現在,研究結果を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では実験室にて対面により実施を計画していた「コミュニケーション・チェーンの感情共有と集合的態度の形成」の研究を,オンライン実施が可能な研究デザインに修正して計画し,研究13として実施することができた。さらに以前実施した研究の手続きを一部修正した研究14を実施することができた。本年度は上記の研究結果を分析するとともに,これまでの研究知見を論文にまとめ投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究12ならびに研究13,研究14の内容を学術学会大会において報告する。またこれまで実施した研究をまとめ,学術論文誌への投稿準備を進める。
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Causes of Carryover |
実験室における対面での実験実施が難しくなり,最終年度に実施予定であった研究をオンライン実施に切り替えた。そのため調査会社にデータ収集を委託するための支出があったものの,予定していた実験参加者に対する謝金,収集したデータ入力などアルバイト謝金の支出がなくなった。また海外学会での研究報告のため旅費を使用予定であったが,感染症の状況を考慮し参加を取りやめたためその支出がなくなった。2024年度は研究12の結果を報告するための学会参加費,またこれまで実施した研究の論文投稿準備経費として研究費を使用する。
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