2018 Fiscal Year Research-status Report

在日コリアンへの差別の実証研究：「新しいレイシズム」の観点から

Research Project

Project/Area Number	18K03019
Research Institution	Kanagawa University
Principal Investigator	高史明神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (90594276)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	小林哲郎神戸大学, 法学研究科, 研究員 (60455194)
Project Period (FY)	2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords	レイシズム / 人種・民族差別 / 人種・民族偏見 / 在日コリアン / 在日韓国・朝鮮人 / 差別 / 偏見
Outline of Annual Research Achievements	本年度の実施状況としては、（1）調査の実施、（2）実験に向けた先行研究の精査と実験の再設計、（3）本課題に関連する発表、の3つがあげられる。まず（1）調査の実施としては、過去に調査を行ったことのあるサンプルに対して2019年3月に再度オンライン調査を行い、データを得た。これにより、在日コリアンに対する態度が直近の期間にどのように変化しているか、その規定因は何かを明らかにできることが見込まれる。この調査では、過去の研究代表者の調査では検討していなかった要因として、韓国との紛争についての認知も測定している。分析はまだ終えられていないが、在日コリアンに対する差別という本事業の検討課題について有益な示唆が得られることが見込まれる。（2）実験に向けた先行研究の精査と実験の再設計としては、「新しいレイシズム」についての最新の論文を精査しなおし、2019年度に実施する実験の再設計を行った。デリケートな問題を扱うこと、ディセプションを含むことといった実験の性質上、予定より調整に時間を要しているため、2018年中には実験の実施には至っていない。（3）本課題に関連する発表としては、研究代表者の高は、Cambridge University Pressより公刊される見込みのヘイトスピーチについての書籍の一章の執筆を行った他、発達心理学会第30回大会のシンポジウムでも報告を行った。また研究分担者の小林は、国際会議Asian Political Methodology Meeting 2019にて報告を行った。これら以外に、本研究課題に含まれないが深く関連する国際共同研究として、The University of the South Pacific（フィジー）および上智大学と共同し、韓国人に対する偏見と集団間葛藤についての研究を2018年度に開始した。現在実験の実施段階にあるが、事業期間内の公刊を目指しており、相乗効果が見込まれる。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 2018年度内には1回のオンライン調査を行い、経時的変化についての貴重なデータを得ることができた。一方で、2018年度内を予定していた実験については、現今の日本の状況で実施可能なように計画を詰める段階で時間を要しており、年度内に実施することができなかった。
Strategy for Future Research Activity	2018年度中に検討した事項を踏まえ、2019年度に集中して実験を行う。2019年度終了時点で当初予定に追いついていることを目指す。
Causes of Carryover	2018年度には調査のみを実施し、実験は実施に至らなかったため、予定より支出経費が少なくなった。2019年度内に当初予定に追いつくことを目指し実験を実施するため、この繰り越し金を使用する予定である。