2022 Fiscal Year Annual Research Report
Educational support to improve school adjustment in adolescents with a focus on acceptance and value.
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18K03032
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
石津 憲一郎 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (40530142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 芳幸 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
大月 友 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20508353)
佐藤 修哉 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (20793243)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心理教育アプローチ / 体験の回避 / アクセプタンス / 価値 / 学習への動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎的な研究の成果から,子供における体験の回避(感情回避/感情のアクセプタンス)および自律的な価値に沿った行為が学校適応やメンタルヘルス,飛行傾向に影響を与えることが示された。こうした研究結果を踏まえ,心理的柔軟性モデルにおける「価値」と「感情のアクセプタンス」に着目した心理教育プログラムの効果検証を行った。中学生6クラスを統制群3クラス(92名)と実験群3クラス(110名)に分類したうえで,作成された心理教育プログラムに基づく4回の介入授業を行った。介入指標としては「体験の回避」「価値の明確さ」「価値に沿ったコミットメント回避の持続」「学習動機づけ」であった。尺度による調査はpre/post/followの3時点で収集された。 まず学習動機づけについて,外敵調整,取り入れ調整,同一化的調整いては介入効果は認められなかったが,内的調整に基づく学習動機については,時期と群の交互作用が有意であり,介入群においてpreとpost,preとfollowの得点に有意な得点の上昇が生じていた。 また,「価値の明確さ」「価値に沿ったコミットメント回避の持続」においては,「価値の明確さ」得点において,時期と群の交互作用が有意であり,介入群においてprepost,preとfollowの得点に有意な得点の上昇が生じていることが確認された。 ただし体験の回避得点については,時期と群の交互作用は認められなかった。以上の結果から,本研究から作成された心理教育プログラムには一定の効果が認められたものの,体験の回避については十分な変化を促さなかった。これらの結果を踏まえ,体験の回避に与える要因や体験の回避が適応に与える影響を鑑賞する要因を見つけ,そこへの介入可能性を検討する必要性が示唆された。
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