2020 Fiscal Year Research-status Report
Psychological mechanism and the social support for social decision making in lifelong development
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18K03034
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
米田 英嗣 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (50711595)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 善悪判断 / 自閉スペクトラム症 / 共感性 / 道徳性 |
Outline of Annual Research Achievements |
定型発達の大学生を対象として、自閉スペクトラム症あるいは定型発達の子どもが善悪判断をする際の根拠について述べた文章を読み、その文章から自閉スペクトラム症あるいは定型発達かどうかを判断させた。共感性が高い大学生のほうが、自閉スペクトラム症あるいは定型発達かどうかの判別精度の相関を検討したが、有意な相関は見られず、共感性の高さと自閉スペクトラム症あるいは定型発達かどうかの判別能力は関係しないことが示唆された。 現在は、この研究に続く実験を計画している。自閉スペクトラム症あるいは定型発達かどうかの判別精度を高める要因を解明するため、新たな調査を行う予定である。
自閉スペクトラム症、アレキシサイミア、サイコパス特性を持つ人の善悪判断を含んだ意思決定についてのチャプター論文を英語で執筆した。「子どもの育ちを考える教育心理学」という書籍の中で、定型発達児および自閉スペクトラム症児の学習と思考・知能の発達についての論文を執筆した。 「児童心理学の進歩 VOL.60[2021年版]」(金子書房)において、「物語理解と感情」という章を執筆し、自閉スペクトラム症者が示す物語理解や共感性について言及した。これらは、当該研究課題である「児童から高齢者を対象とした善悪判断の心理メカニズムの解明とその支援」の推進に寄与するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響もあり、対面実験ができない分を執筆活動やウェブによる調査で補っており、研究計画に遅れはなく、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
夏に、小学生を対象に対面実験を行う予定である。対面実験ができない場合は、オンラインによる実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響もあり、国内外での出張がほとんどなくなったことに加え、対面実験ができなくなり、次年度使用額が生じた。しかしながら、対面実験に代替するウェブによる調査でデータ取得を行うことができたため、研究計画に遅れはない。次年度も、研究実施を円滑に進めるため、対面実験に加えて、ウェブに調査に基づく実験の両方を行う計画を立てている。
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