2020 Fiscal Year Research-status Report
キャリア発達のための社会性と情動の学習(SEL-8Career)プログラム開発
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18K03042
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小泉 令三 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 再雇用教授 (90195644)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会性と情動の学習 / キャリア教育 / 社会性と情動のコンピテンス / 定時制高校 / 社会的能力 / 社会的自立 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の実績概要を,当初計画した次の3点に従って述べる。 (a)SEL-8Careerプログラムの開発:これまで開発した全ユニット(25授業分)について,下の(b)に合わせて適宜改善作業を行ない,指導者用の資料の整備や参加者用の学習プリントの追加等によってさらに内容の充実を図ることができた。また,プログラムの学習内容定着のためのポスター制作も行うことができた。 (b)SEL-8Careerプログラムの実施:定時制高校での実践を継続した。個々の参加者のニーズに応じた実践の成果を確認することができた。就業支援企業での実践については,プログラム内容の改善を行い実践回数も増やすことができたが,新型コロナ感染症予防のためにプログラム実施対象者を予定通りに募集することができず,ごく少人数での試行にせざるをえなかった。高等学校総合学科での実践については,第1学年での本格的実践を行って,社会的能力や学校適応感の向上についてSEL-8Careerプログラムの効果を検証することができた。第2・3学年でも本格的実践に向けた試行的な取組を開始することができた。 (c)キャリア発達社会的能力尺度作成と効果測定:尺度の作成過程と妥当性・信頼性に関する研究成果を大学紀要論文として発表した。この尺度は,SEL-8Careerプログラムの試行・実践における効果測定に使用した。 これまでの研究成果について,国内の学会はオンラインで発表することができたが,予定していた国際学会は新型コロナ感染症のために延期となり,発表することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度が最終年度であったが,新型コロナ感染症のために2つの点で当初の計画どおりには進めることができなった。1つは,就業支援企業での実践について,若年就業希望者の募集が地元企業等の採用控えや,就労支援の窓口となる公的機関での対面での受付制限によって進まず,ごく少人数での試行にせざるを得なかった点である。2つ目は,国際学会が延期となり,成果発表ができずに他の研究者との意見交流等の機会が持てなかったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(最終年度)は次のように研究を進める。 (a)SEL-8Careerプログラムの開発:開発・改善済みの全ユニット(25授業分)について,研究による成果の社会実装のために書籍化して出版する。 (b)SEL-8Careerプログラムの実施:定時制高校での実践継続を可能な限り支援する。高等学校総合学科での実践については,全学年での本格的実践を行いその効果を検証する。就業支援企業での実践については,新型コロナ感染症の状況を見つつ再度の実施を試みる。また,新たに短期大学での就職活動支援の一環としての試行の可能性を探る。 (c)キャリア発達社会的能力尺度作成と効果測定:続けて,SEL-8Careerプログラムの試行・実践における効果測定に使用する。また,関連するホームページで,今年度に発表した論文及び回答の集計用ソフトと合わせて公開する。 研究成果発表については,次年度に延期となった国際学会(対面またはオンライン)で発表するとともに,可能な範囲で関連の国内学会でも続けて資料収集を行い,最終年度の総括及び考察を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症のために,当初予定していた就業支援企業での本格的実践ができなかった。また,予定していた海外の学会での成果発表も開催が延期となったために,次年度使用額が生じた。これらの事項を中心に,当初の研究目的達成をめざして次年度に実施する予定である。
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