2019 Fiscal Year Research-status Report
若年未婚女性における仕事・結婚・子どもの価値とライフコース選択
Project/Area Number |
18K03045
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
永久 ひさ子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (90297052)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕子 文京学院大学, 人間学部, 非常勤講師 (50296357) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 女性のライフコース選択 / 自己成長の価値 / 仕事 / 結婚 / 晩婚化 / 親密な交際の未経験 / 適当な結婚相手 / 自己成長を脅かすマイナス要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
未婚女性のライフコース選択を分ける要因を探るため、面接調査を行った。その結果、全ての対象者において、自己成長は重要な価値であり、仕事だけでなく結婚生活や子育てにも、自己成長の価値がみられた。つまり、仕事、結婚・子育てというライフコース選択は、その中での自己成長の期待と関連すると考えられる。 過去の交際が結婚に至らなかった理由の多くは、遠方への転勤と長期間交際による関心の低下であった。どちらかの遠方への転勤は、女性の仕事での成長のマイナス要因となる。また関心の低下は結婚での成長のマイナス要因となる。交際の解消により新たな交際相手と関係を築く時間が必要となるため、これらは晩婚化の重要な要因と考えられる。 結婚意欲のある者の多くは婚活や合コンなどを経験していた。しかし、面接協力者の中には、数回デートしただけや、片思いなど、結婚生活をイメージできるほどの親密な交際が未経験である人が最も多かった。そしてこの群では、結婚相手として適当か否かの判断は、肯定的要因よりも否定的要因に注目しがちであることが示唆され、適当な結婚相手の基準に自信がないことが示唆された。また、母親の結婚生活への評価が不良な場合は、より否定的要因に注目しがちであることが示唆された。一方で、結婚に向けて交際中の女性は全て、複数回の親密な交際経験があることから、適当な結婚相手の基準には、過去の親密な交際の中で得た知識が影響することが示唆された。 大学生の時点で、恋愛にはプラスとマイナスの影響があると認識しているとの報告があるが、結婚は人生を左右するため、より一層、自己成長を脅かすマイナス要因がないことが重要で、それに加えて自己成長につながる経験が期待できるか否かが、「適当な結婚相手」か否かの判断基準であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2月以降の新型コロナ感染拡大防止措置のため、面接調査が全て中止となり、また、国内学会はオンラインで発表は行われたものの、ディスカッションなどは行えず実質的には中止に等しく、次年度の国際学会も中止となった。面接調査の結果に基づいてアンケート調査を行う予定であったが、面接調査も学会での情報収取もできなかったために、アンケート調査の準備もできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
面接調査は3密の状況になりやすく、またオンラインでは初対面の調査者に過去の恋愛などを話してもらえる関係性を構築しにくいことから、新型コロナ感染症の状況が収まった後に、面接調査を再開し、学会での情報収集を行い、それに基づくアンケート調査を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度2月から始まった新型コロナ感染拡大防止措置のため、予定していた面接調査、国内学会、来年度の国際学会が全て中止となった。また、面接調査の結果に基づいて作成する予定だったアンケート調査も準備ができなくなり、全ての活動が次年度に延期となった。 そのため、次年度にこれらの研究活動を繰越すことになった。
|
Research Products
(4 results)