2020 Fiscal Year Research-status Report
若年未婚女性における仕事・結婚・子どもの価値とライフコース選択
Project/Area Number |
18K03045
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
永久 ひさ子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (90297052)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕子 文京学院大学, 人間学部, 非常勤講師 (50296357) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 結婚と仕事の両立 / 自分探し / 出産可能年齢 / 生育家族 / 専門職 / 結婚の条件 / 恋愛 / リスク回避 |
Outline of Annual Research Achievements |
30歳前後の未婚女性における仕事・結婚・子どもの価値とライフコース選択について、首都圏と地方在住の20名に面接調査を行なった。 仕事の価値については、仕事の内容、転職、仕事のやりがい、自分にとっての重要度、働きやすさ、大変さ、先の見通し、収入 について質問した。結婚の価値については、性別分業、結婚のイメージ、結婚相手の条件、両親の夫婦関係 などを質問した。また多くが恋愛結婚であるため、恋愛についても質問した。子どもの価値については、子どもや子育てについての考え、母親役割観、などを質問した。ライフコース選択については、結婚意欲、結婚の希望時期、希望出産時期、出産後の仕事について質問した。 仕事の価値では、求められるスキルが高度な専門職の場合、30歳前後でもまだ一人前ではなく、結婚と両立は難しいと感じるケースや、目標達成まで頑張りその後転職してから結婚を予定するなど、仕事の負荷の大きさから、両立に不安をもつケースが見られた。また、仕事にやりがいが見出せないケースでは、自分探しを結婚より優先と捉えるケースが見られた。一方で、結婚後の仕事については、面接した全員が、なんらかの形で仕事をもつ予定であり、自分も家計を負担することを当然と捉えていた。結婚の価値では、生育家族の再生産を希望するケースが多く、多くが、母親の結婚生活をモデルにしており、子どもの塾や習い事などができる経済的時間的ゆとりが結婚の条件になっていた。また、結婚の情緒的安定性を不安に思う場合には、相手の性格や行動特性などの条件で、そのリスクを回避しようとしていた。出産可能年齢は結婚意欲と密接な関係があり、30歳前後の未婚女性は、仕事の価値と情緒的安定が期待できる結婚相手を選ぶための恋愛と、出産可能年齢の間で、葛藤状況に置かれることが示唆された。またその葛藤は、高度なスキルが要求される専門職で高いことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度1年間はコロナ禍のため、本務校のオンライン授業に全ての時間を使い研究の余力がなかった。また、面接調査に出向くことができず、一部オンラインで再開したものの、コミュニケーションに制約があり、予定していた雪だるま式の調査協力者集めができなかった。そのため、面接調査の分析と、アンケート調査が実施できず、大幅に計画が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
面接調査の分析を行い、それを基に、仮説を生成してアンケート調査を行う予定である。面接調査はオンラインで実施することとし、調査人数を縮小して、分析を行う。アンケート調査は、インターネット調査で行う予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年度はコロナ禍により、本務校のオンライン授業に多大な時間を使ったことと、面接調査が進まなかったことから、研究計画が大きく遅れた。そのため、面接調査の一部とアンケート調査を今年度に持ち越すことになった。今年度は6月にオンラインでアンケート調査を実施するとともに、7月から10月にかけてオンラインで面接調査を行う予定である。
|