2021 Fiscal Year Annual Research Report
An experimental study on the psychological processes of engendering a feeling of ikigai in adult women from career awareness
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18K03052
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
熊野 道子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (20413437)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生きがい / 成人期女性 / キャリア意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、成人期女性が生きがい感を形成する心理プロセスを、これまでに構築してきた時間と状況の2次元からみた生きがい形成の価値過程モデル(生きがい形成モデル)を適用して、キャリア意識の観点から明らかにすることである。 生きがい感に関する基礎的研究として、前報(熊野『大阪大谷大学紀要』2015)で報告後の英語での“ikigai”の研究動向の変化を文献研究により明らかにした。この文献研究の結果、日常語としての生きがいに関する関心が海外でも高まっており、生きがい研究の重要性がさらに国際的に増していることが示された(熊野『生きがい研究』2021)。 成人期女性のキャリア意識と生きがい感に関する研究として、成人期有職女性の職業観とキャリア志向が生きがい感とどのように関係するのかを正規・非正規職員の就業形態別にweb調査を行い、生きがい形成モデルを適用して成人期有職女性の生きがい感をいかに高めるかを考察した。生きがい形成モデルは、ライフイベントから価値付与プロセスと価値受容プロセスの2つの生きがいプロセスを経て、生きがい感を形成するモデルである。成人期有職女性は、自分の職業に対して専門性を意識することや自分の職業の社会貢献や社会的役割を意識したりして働くことにより生きがいプロセスの価値付与プロセスを高めることができる。また、日常生活のささやかなことの価値に気づく力を持つことにより生きがいプロセスの価値受容プロセスを高めるとともに、多様なライフイベントから生きがい対象を選別することができ、生きがい対象を多く持つことができる。これらにより成人期有職女性の生きがい状態を高めることができると考えられた(熊野『大阪大谷大学紀要』2021)。
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