2022 Fiscal Year Research-status Report
中堅・若手教員別レジリエンス強化のための研修システムの構築
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18K03070
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
中野 有美 南山大学, 人文学部, 教授 (60423860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敦夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (30338149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / ストレスマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍のために、2020年度に引き続き、予定していた教員を対象とした研修会を開催することが困難な見通しとなった一方で、コロナ禍が長引く中での心の健康維持の観点の重要度が強まったことを受け、研究計画を今できることで今大切だと考えられる内容に急遽変更し、2021年度に次のような実践と調査を実施することになった。岐阜県の公立中学校3校に所属し受け持ち学級のある教員を対象に、認知行動療法を用いた“気持ちを整理する方法”を学ぶ授業について説明会を開催し、次に、その説明会に参加した教員はそれぞれの受け持ち学級でその授業を実施、その前後の生徒の反応を観察することにした。授業1か月前、授業前1週以内、授業後1週以内、授業1か月後に授業アンケートを実施した。対象は3校の全学年であった(A校140名、B校442名、C校444名、計1022名)。アンケートの内容は、学校適応の程度を測定する項目(河村 1999a,1999b,大久保・青柳2004,大久保 2005,石田 2009を参考にした)、抑うつの程度の測定する項目(バールソン児童用抑うつ性尺度(Depression Self-Rating Scale for Children; DSRS-C)による)、ADHD傾向を測定する項目(Conners3-SR(CK.Conners 2008)、ADHD-RS(GJ.DuPaul 1998)、DSM-5の診断基準を参考にした)、生徒の授業への感想である。2022年度は回収したデータを整理、解析し、学術的発表に向け準備した。さらに、コロナ禍に伴う2つ目の研究計画変更として、認知行動療法を活用した大学生向けのストレスマネジメント学習会の試行に向けて計画を練った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のために、講習会を開催することが困難となり当初の研究計画が頓挫した。 そのため2020年度に研究計画を実行可能な内容に大幅に変更し、2021年度に着手、2022年度は回収したデータの整理、解析にあてた。
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Strategy for Future Research Activity |
収拾したデータの解析結果に関し、学校適応、抑うつ感、注意力の関連、さらには、授業をはさむことでそれらにどのような影響を及ぼす可能性があるかについて探索する一方で、授業に参加した生徒の感想を質的な側面から整理し、学術的発表を進めていく予定である。大学生向けのストレスマネジメント学習会についても試行し、その効果や受講者の感想を収集する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために研究が進まなかったことが最大の理由である。2023年度はコロナ禍が終了する見込みであるため次年度は海外の関連学会に参加し積極的に見聞を広める予定である。さらには大学生を対象としたストレスマネジメントを施行する予定である。必要な書籍購入、広報活動、人的援助に対する資金に充てる予定である。
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