2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a parent support program to enhance the ability to accept negative aspects of children: Verification of the effect of child abuse prevention
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18K03073
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
石 暁玲 東京福祉大学, 保育児童学部, 准教授 (30529483)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 児童虐待予防 / 子どものネガティブな感情表出 / 養育力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では児童虐待を予防するカギは「子どものネガティブな感情表出を受け止める親の養育力」を高めることだと捉え、これまでに質問紙調査を行ってきた。本年度では量的研究で抽出された要因・虐待のメカニズムの妥当性を質的研究から検証することを目的として半構造化面接調査の依頼・実施を行った。 インタビュー調査の事例比較からは、量的研究で示されていた「子どものネガティブな感情表出を受け止める養育力」を促進する要因のうちの、母親が「子どもと楽しく遊べること」および「夫への信頼感」が重要であることが確認され、それらによって育児ストレスやいらいら感が軽減されることが示唆された。また質問紙調査では親の「完璧主義」のうちの「ミスへのこだわり」が「感情の混乱」・「育児不安」との間に正の相関が認められたことに対して、インタビュー調査では親の「完璧主義」の全般的得点が高く、「ミスへのこだわり」をある程度を感じている場合でも、子どもと楽しく遊び、夫も頼れるなら、育児の悩みを抱えていても子どもとの接触は楽しいものだと感じ、育児不安も比較的感じにくいとのことがわかった。このように、質的研究を通じて量的研究で得られた結果への理解を深め、次の介入支援研究へつなげた。 併せて、昨年度に行った質問紙調査の結果を、「子どものネガティブな感情表出を受け止める養育力と母親のパーソナリティ要因との関連」というタイトルで日本発達心理学会第31回大会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定されている質的研究が進められ、これまでの量的研究の結果と合わせて検討し、次の介入支援研究に取り入れるべきコンテンツをある程度整理できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は児童虐待予防の実践に向けて、乳幼児を持つ親の「子どものネガティブな感情表出を受け止める親の養育力」を高める介入支援研究を行う。そのために、これまで実施した量的・質的研究の結果を詳細に分析し、介入案を確定する。その過程でさらに理解を深める必要があると思われた場合、追加で調査を行うことも視野に入れている。また協力者の募集や親への介入は、感染症対策の効果をみて、予定より数ヶ月遅れて実施することで対処する。
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Causes of Carryover |
予定していた研究出張や学会発表は感染症対策を講じるため現地へ行って実施することができなかった。来年度以降に実施する予定である。
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