2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児の食事行為の獲得と社会化-境界線を越える意味とおとなの支援
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18K03074
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
上村 佳世子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 千夏 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10352593)
加須屋 裕子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (60296291)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食スクリプト / 給食 / 幼児 / 会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼稚園における昼食時の会話は、子どもの社会性の発達を促進し食事行為を楽しく円滑に維持する ために重要な役割を果たすものと考えられる。本研究は、幼稚園の給食場面における子どもおよび保育者の社会的相互行為を観察し、そこで発生 する会話のテーマ、子どもの会話参加や会話の維持や展開と、それに対する保育者の支援の役割を明 らかにすることを目的とした。 関東圏内の私立幼稚園の3,4歳児の各1クラスの園児および保育者2~3名を対象とした。 給食場面を1か月に1回訪問し、観察をおこなった。園児の各テーブルにICレコーダを、 教室の2か所に小型カメラを置くと同時に、観察者が教室の外から観察し相互行為の流れの筆記記録と取った。コロナ禍で実際の観察は停止しているため、今年度の分析は2019年度収集した資料を対象とした。食事時間は6、7台のテーブルが出され、各 3~4 名 が座るよう座席が指定されており、2 名の保育者が各テーブルに暫定的に着席して一緒に食事をとっていた。観察に際して各テーブルに IC レコーダを置き、部屋の隅 2 箇所に小型カメラを置くと同時に観察者が筆記記録を取った。 教室での会話は、食事の配膳、促進と指導については教員主導で展開し、月齢を問わず発話数に大きな変化は示されなかった。教室内の活動、家族状況、園外での経験については、教員への報告と仲間同士での自由な発話という形で展開され、仲間間の会話は月齢が高くなるにつれて発話交替数も話題の多様性も多くなった。以上のことから、月齢を問わず給食場面は、食事指導と他者との会話交流の重要な機能を持ち、とくに後者については、月齢による教師の統制と園児たちへの会話主導への移譲のバランスが必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍に入り、2020年3月を最後に、幼稚園の教室および家庭での食事場面の行動観察が許可されない状況が続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、観察可能である状況と待つと同時に、幼稚園教諭および幼児をもつ親に対する面接調査を実施していく。
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Causes of Carryover |
対処先での観察がコロナ禍で中断している他、web調査が中途で終了しておらず支払いに至っていないため、延長の手続きをしております。
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Research Products
(1 results)