2019 Fiscal Year Research-status Report
学校危機予防教育におけるスクールリーダーとチームの在り方に関する研究
Project/Area Number |
18K03075
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
原田 恵理子 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (20623961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 弥生 法政大学, 文学部, 教授 (00210956)
本田 真大 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40579140)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学校危機予防 / スクールリーダー / コンサルテーション / チームとしての学校 / コーディネーター / ソーシャルスキル / 予防教育 / カリキュラムマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は以下の研究に着手した。 (1)スクールリーダーの学校長における学校危機予防の認知:学校長46名を対象に学校危機予防に関する調査をした。分析の結果、第一に、教育委員会からの通達がないと認識する学校長は、「責任感の育成」「予算」「設備」の取り組みが不十分であるという認識が高いことが明らかとなった。第二に、生徒指導担当教諭73名と認識の違いを比較したところ、「環境」「カリキュラム」「トレーニング」で学校長の方が生徒指導担当よりも満足度が高いことが明らかとなった。 (2)継続実施を可能とする予防教育におけるチームとしての在り方:(1)の結果に基づき、予防教育が継続的に実践されている学校のスクールリーダーの予防教育に対する知識と対応、学校組織の構築などのインタビューガイドを作成中である。3月の面接を予定していたが、新型コロナウイルス感染症により面接調査が延期されている。 (3)継続実施を目指す予防教育の導入(研究2):学校長や管理職のリーダーシップ、そしてチームのコーディネーションをする教員へのコンサルテーションのもと、学校危機予防に向けたソーシャルスキルをベースとしたソーシャルエモーショナルラーニングを実施し、その教育効果を検討した。その結果、家族関係が良好になり,エネルギーややる気といった感情の増強につながった。 (4)社会的活動への還元:学術領域以外においても社会的活動における成果としていじめ予防や情報モラル教育のための講座、教員対象の研修を行った。また、援助ニーズが高い学校や道徳教育やレジリエンス教育を導入する学校のコンサルテーションを行った。さらに、予防教育を実施するにあたって、心理教育の理論と学校への定着といった視点から書籍や雑誌に記事を書いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画で申請を予定した通り順調に進めてきていたが、3月に予定されていた学校長、コーディネートの教員に対する面接調査が新型コロナウイルス感染症拡大により実施できていない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた研究1の面接調査は、状況をみて学校と調整を図って行う予定であるがその時期は未定である。また、継続実施を可能とするスクールリーダーや管理職、組織の構築やチームの在り方を検討する高等学校(6校)でのソーシャルスキル教育等の予防教育について、2020年度も継続実施の計画を立てているが、新型コロナウイルス感染症への対応のため当初計画よりもかなり縮小した実施、あるいは実施できない見込みである(研究2・3)。この状況を踏まえて次年度以降の研究を行うため、予防教育の導入・実施・定着におけるモデルを提示する具体的なガイドラインの検討(研究4)だけでなく、実践研究(研究2・3)の延長の可能性もある。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当初予定していた2年目の研究である3月実施予定の学会発表2件、面接調査(実施予定校6校)とその分析費用が大きい。今後の使用計画としては、面接調査を遂行し分析費用に充てることに加え、当初予定したよりも多くの学会で研究発表と情報交換を行うための旅費、調査・実践のための費用に使用したい。
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