2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03084
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Research Institution | Teikyo Junior College |
Principal Investigator |
橋本 泰央 帝京短期大学, 帝京短期大学, 准教授 (50748267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小塩 真司 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60343654)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対人特性 / 語彙研究 / 対人葛藤 / パーソナリティ変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では(a)対人特性語に基づき, 日本人の対人特性の基本的な次元を明らかにすること,(b)対人関係のあり方と対人特性の関係を明らかにすること,(c)対人特性の二者関係研究への活用可能性を検討することを目的としている。 2018年度は語彙研究に基づき,対人特性語を通じて日本人の対人特性の基本次元を明らかにすべく努めた。その結果支配性・親密性と解釈可能な,ほぼ直交する2つの次元が見出された。2019年度は対人関係のあり方と対人特性の関係を明らかにする前段階として,オンライン調査で取得した横断データをもとに,日本人の対人特性の年齢と性別による違いを検討した(Hashimoto・Oshio,2019: ISSID 2019 conferenceにて発表)。その結果,支配性は年代による違いが小さく,親密性は年代とともに上昇することが明らかとなった。また性別による違いでは親密性は男性の方が,親密性は女性の方が各年代で高いことが示された。 また,語彙研究で明らかにし得た各対人特性と,対人場面で取り得る葛藤方略(対人葛藤が生じる場面でどのようにふるまうか)との関連を検討した。その結果,社交的対人特性と統合(話し合って問題解決を図る),回避(葛藤場面を避ける),強制(自身を優先するよう他者に強いる)対人葛藤方略との関連が示唆された(橋本・小塩,2019:第60回社会心理学会にて発表)。回避スタイルは日本的とされ(大渕・福島,1997),肯定的な社会的印象を維持しようという目標と関連すると考えられている。回避スタイルとの関連は社交的な関わり合いと肯定的対人印象を維持するという対人目標との関連を示唆していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れていると思われるのはコーパス情報からの対人特性構造の抽出である。こちらは当初の予定とは別の研究者の協力も得て,現在も前年度に引き続き進行中である。またさまざまな対人関係を測定する質問紙を利用した,対人関係と対人特性の関係を検討については,現在オンラインでの調査のための準備中である(現在新型コロナウイルス感染症拡大に伴う非常事態宣言下のため,調査の実施を見合わせている)。世情が落ち着き,準備が整い次第,調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したようにオンラインでの調査を予定している。調査では2者の対人特性と関係性との関連,また対人特性と人口統計学的属性やライフイベントとの関連などについても検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本来オンライン調査で使用する目的であったが,調査の遅れにより次年度に実施予定である。そのために計上していた金額が繰り越しとなった。コロナウイルスによる緊急事態宣言が収まり,世情が落ち着いてから調査を実施する予定である。
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Research Products
(5 results)