2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03084
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Research Institution | Teikyo Junior College |
Principal Investigator |
橋本 泰央 帝京短期大学, 帝京短期大学, 准教授 (50748267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小塩 真司 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60343654)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対人特性 / 語彙研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,対人特性語に基づき,日本人の対人特性の基本的な次元を明らかにすること,対人関係のあり方と対人特性の関係を明らかにすること,対人特性の二社関係研究への活用可能性を検討することを目的としている。 2020年度は対人関係のあり方と対人特性の関係に焦点を当てて研究を行う予定であったが,コロナ禍による研究環境の変化により研究の進捗に乏しかった。 唯一参加し得た日本心理学会第84回大会(橋本,2020)では,パーソナリティ特性語の中の,特に対人的側面に関わる語彙(対人特性語)の構造が先行研究に似た円環構造をなすこと,そして親密性・支配性と解釈し得る2軸で表現できることを発表した。また,2次元上に布置された対人特性語が8つのクラスターに分類されることを示した。その結果,親密性と支配性がともに高い対人特性領域が「社交的」と「友好的」の2つのクラスターに分かれることが示され,一方で親密性と支配性がともに低い対人特性領域は「内向的・受身」の1つのクラスターにまとめられた。この結果は,我々が他者と接する際のパーソナリティをとらえる際に,親密で支配性が高いパーソナリティ特性を細かく区別し得るのに対して,冷淡(低親密性)で従順(低支配性)なパーソナリティ特性については細かく区別して捉えていない可能性を示唆する。同時に,対人特性次元の各領域を表現する語彙の数の違いは,その領域が表す対人特性の重要性そのものをも表していると考えられる。 秋以降は研究計画を一部変更し,対人特性を含めたパーソナリティ特性の社会的望ましさのオンライン調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
従来対面形式にて質問紙調査を行っていたが,コロナ禍により従来通りの調査が不可能となり,すべての調査をストップせざるを得なかったため。政府の対応,世間のコロナ対応を考慮しつつ,オンライン調査の可能性を考えたが,コロナ禍という環境下での調査結果を,コロナ禍ではない平時の環境下にどの程度敷衍できるかという一般化可能性を考えると,年度前半はオンライン調査にも踏み切れなかった。 秋以降はコロナ禍による生活の制限はあったものの,できることからと考え,対面調査の代わりにオンラインを利用して,対人特性を含むパーソナリティ特性語の望ましさの調査を行った。また,対人特性と対人関係の検討のため,新たなオンライン調査の実施を計画中である。
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Strategy for Future Research Activity |
対面調査は現状難しいと考えられるので,オンライン調査を活用して,できる範囲の調査を継続していく。そのため当初の研究計画にこだわらず,オンラインで調査可能な範囲を見定め,調査対象者の選定から調査内容まで研究計画を新たに立案中である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって海外学会が中止となり,旅費,参加費等がかからなくなったため。また予定していた調査も実施できなくなり,その分の経費が次年度使用額として持ち越しになった。次年度オンラインを利用した調査に使用予定である。
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Research Products
(1 results)