2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of interpersonal traits dimensions and potential applications
Project/Area Number |
18K03084
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Research Institution | Teikyo Junior College |
Principal Investigator |
橋本 泰央 帝京短期大学, 帝京短期大学, 准教授 (50748267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小塩 真司 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60343654)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対人特性 / 養育スタイル / 社会的望ましさ / 時代変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は主に2つの研究成果があった。 1つは母親の養育スタイルと母親のパーソナリティ特性との関連を検討したことであった。この研究は,対人関係のあり方と対人特性の関係を明らかにすることを目的としていた。調査はコロナ禍を考えてオンラインで行った。養育スタイルを測定する複数の尺度を用い,各尺度と対人特性との関連を検討した。その結果,肯定的とされる養育スタイルは親密性が正で支配性が負の領域と,否定的とされる養育スタイルは親密性が負で支配性が正の領域と関連する傾向がみられた。この研究の意義は,さまざまな養育スタイルの特徴を対人特性との関連から明らかにし,また対人特性との関連という観点から整理した点にある。 2つ目の成果は,前年度最後に行ったパーソナリティ特性語の社会的望ましさの結果をもとに,先行研究(青木,1971)で報告されたそれとの比較を行ったことであった。その結果,がんばりや勤勉さを表す特性語の望ましさが約50年前と比べて社会人,大学生ともに下がっていることが明らかとなった。この結果は対人的側面というよりはむしろ,日本人の物事に取り組む姿勢の変化を示唆する結果といえる。この研究の意義は,どのようなパーソナリティ特性を望ましいと考えるか,という人々の意識が時代とともに変化している可能性を示唆したこと,そしてその変化が,社会学領域の先行研究と整合的であったことを示したことである。 1つ目の成果は日本社会心理学会にて,2つ目の成果は日本パーソナリティ心理学会にて口頭発表された。さらに2つ目の成果は日本心理学会の学会誌に投稿・受理され,現在印刷中である。 さらに,2つ目の成果と関連して,パーソナリティ特性語の世代や年齢による違いも検討している。こちらは現在投稿・審査中である。
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