2018 Fiscal Year Research-status Report
問題パターンと測定する能力に基づく客観テスト項目の指針の開発に関する研究
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18K03085
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
荒井 清佳 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (00561036)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多肢選択式 / 複数選択問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,教育現場でも多く用いられている客観テストについて,問題形式・問題パターンに着目して問題項目が測定している能力を実証的に明らかにすることを目的とするものである。(1) 問題形式・問題パターンに着目した受験者の解答プロセスの調査・分析を行うとともに,(2) 部分点を与える場合の採点方法の検討も行う。 (1)については,本年度は,平成30年度大学入試センター試験モニター調査で得られたアンケート調査のデータの分析を行った。グラフや表などの問題では,知識問題に比べて「自分なりに考えて判断した」と回答する受験生が多いことが示され,この結果を国内の学会で発表した。また,平成31年度大学入試センター試験モニター調査では,センター試験の過去問の一部を用いて記述式を含む問題を作成し,問題に関する資料(教科書の記述)の有無によって解答に違いがあるかどうかをみることを目的とした調査を実施し,記述式の問題についての採点作業を進めた。 (2)については,本年度は,正答選択肢が複数あるが,その数が明示されていない複数選択問題の採点方法について,選択肢の数や正答数などについて様々な場合の得点をシミュレーションを用いて示した。その成果を国外の学会で発表し,講演要旨集への掲載を目指して文書にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在進めている科目に加えて他の科目についても調査を進める計画であったが,本年度は達成できなかったため,「遅れている」と評価する。 その理由は,それまでに得られた調査データが,自由記述式のものであり,その分析に時間がかかったことである。調査データの分析結果を踏まえて他の科目についても調査を広げる予定であったため,その計画を本年度中に実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進捗状況は当初の計画よりも遅れているものの、着実に研究は進んでいる。記述式の調査データについては,入力や採点に時間を要するため,今後は調査データの分析などを早急に進め,効率的に研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が当初の計画よりも遅れているため,使用する計画であった採点のための謝金や調査のための経費等のための支払いができず,次年度使用額が生じた。 次年度は,本年度の調査データの採点を進めるほか,当初の計画に沿って新たな調査の準備や調査協力者への謝金,学会発表のための経費等として使用する計画である。
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