2021 Fiscal Year Research-status Report
対人的楽観性に焦点を当てたメンタルヘルス改善のための統合的アプローチ法
Project/Area Number |
18K03087
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
沢宮 容子 筑波大学, 人間系, 教授 (60310215)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩壁 茂 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10326522)
福島 哲夫 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (60316916)
青木 みのり 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80349175)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 統合的アプローチ / 楽観性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、対人的楽観性に焦点を当てたメンタルヘルス改善のための統合的アプローチ法を開発し、その効果を検討することである。本研究で取り上げる楽観性(楽観的)という概念は、Abramson, Seligman, & Teasdale(1978)が、無力感の克服策として楽観的な期待の有効性を論じたことで注目され、実証的な研究が重ねられてきた(e.g., Boyer、2006;Seligman、1991;戸ヶ崎・坂野、1993)。心身の健康回復やストレス緩和にプラスの影響を及ぼすとされ(e.g., 藤南・園田, 1994;Umstattd, McAuley, Motl, & Rosengren, 2007)、Seligman &Csikszentmihalyi(2000)が提唱したことで知られる「ポジティブ心理学」のキーコンセプトでもある。 近年、各種健康障害のリスクファクターとして、メンタルヘルスの悪化が危惧されており(Murray & Lopez,1996)、二次的な問題も大きい(Jane-Llopis et al., 2003)ことから、メンタルヘルス改善の重要性は高い(e.g.,Gillham et al., 2000)。メンタルヘルス改善を目的としたプログラムは日本においても開発され、一定の効果をあげている(e.g.,寺嶋他、2017;沢宮、2013)が、本研究では、人間の潜在的な可能性を拡げることをめざし、対人的楽観性に焦点を当てたメンタルヘルス改善のための統合的アプローチ法について検討をしている。当該年度においては、特に、統合的アプローチにおける「動機づけ面接」導入の効果を検討するため、前年度の成果を引き継ぎ、研究を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人間の潜在的な可能性を拡げることをめざし、対人的楽観性に焦点を当てたメンタルヘルス改善のための統合的アプローチ法について検討を継続しているが、新型コロナウィルス禍の影響により、計画していた研究が一部実施できなかったこともあり、進捗に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス禍の影響により、計画していた研究の一部が実施できなかったが、混合研究法を用いる等の対応策を講じることによって、当初の研究目的の達成をめざしたい。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、参加予定であった学会大会が中止になったため、次年度使用額が生じた。未使用額は、次年度に開催される学会発表のための旅費に充当する予定である。
|