2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of screening measures for detection of HIV-associated neurocognitive disorders (HAND)
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18K03100
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
坂本 麻衣子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10720196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 修三 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 教授 (00199788)
山本 政弘 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (10220500)
宮川 寿一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 臨床教授 (40347000) [Withdrawn]
中田 浩智 熊本大学, 病院, 講師 (40628492)
山口 武彦 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 講師 (50713442)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知機能検査 / IADL検査 / HAND / マイクロエラー / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
R1年度の目標は、開発したスクリーニング検査を健常者に実施してもらい、検査の使用感や難易度について解析・改善を行うことであった。認知機能検査については、HIV関連の認知機能障害が多領域に渡るという先行研究の報告を踏まえ、記憶機能・集中力・実行機能・情報処理速度・運動機能を網羅する8つの検査のプログラミングを行なったが、そのうち3つの教示作成と改善に時間を要した。例として、紙媒体の検査を行う際には、検査者が該当する箇所を指差しながら説明ができるが、タブレット上では、被験者の注意点を一定箇所に向けることが困難であることを発見した。このような健常者からのフィードバックをもとに改善を重ね、認知機能検査を完成させた。IADL検査については、性差が出難く誰でも行う日常生活上の作業として、食事の準備(調理ではなく盛り付けとセッティングのみ)をスクリーン上で行う検査を構築し、健常な被験者に検査を実施してもらうことで、その使用感について評価を行った。IADL検査ではシステム上のエラー(例:タブレット上で適切な場所をタッチしているにも関わらず、動作が完了しない)が多発し、その改善を行う為に共同研究者と何度も打ち合わせを行った。その結果、軽度認知機能障害がある方の小さなエラーでも見逃さないような、検査の難易度も適切な検査を構築することができた。 本検査の使用目的は、HIV感染からくる軽度認知機能障害をスクリーニングで拾うことである。HIV感染者の平均年齢が40代前半であることを考慮すると、スマートフォンやiPadに使い慣れている方が多いのではないかという結論から、画面をタッチするという動作を含めた練習課題を最小限にした。認知機能・IADL検査ともに健常者のフィードバックをもとに改善し完成をすることができたので、来年度からはHIV感染者からの本格的なデータ収集に移行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本検査を実施した健常者からのフィーバックをもとに、教示や画像の改善に時間を要したが、検査システムとして、人の目では見逃すようなエラーも測定可能な、高度な検査を開発できたことを考慮すると、概ね研究計画に沿って順調に研究を進めていると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究3年目(R2年度)の目標として、被験者からのデータ収集・標準値の構築・HAND診断アルゴリズムの構築を挙げている。現在、HIV感染者からのデータ収集を行うため、各施設の倫理委員会に本研究実施の申請書を提出しているところである(佐賀大学医学部倫理委員会からは承認済み)。各施設の倫理委員会から承認が下り次第、研究代表者が所属している佐賀大学医学部では健常者のデータを、協力施設である九州医療センターと熊本大学附属病院ではHIV感染者からのデータを収集する予定であるが、現在、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言が全国に発令される中、免疫不全を抱えるHIV感染者に研究協力を依頼することは、研究者として無責任な行動だと判断する。今後の動向を見極め、特にHIV感染者の方の安全が確保されることを確認した上でデータ収集を開始する予定である。そして計画書にあるデータ数に達した際には、研究協力者とともにエラー解析・標準値の構築・アルゴリズムの開発に着手する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度から、被験者からのデータ収集を行う予定であったが、スクリーニング検査の改善に時間を要したため、人件費・謝金などの費用に残高が生じた。令和2年度からデータ収集、標準値の構築などを予定しており、繰越した残高(321,268円)と令和2年の助成金を計画に沿って使用する予定である。
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