2021 Fiscal Year Research-status Report
Clutter Image Rating 日本語版の得点と生活支障度の関連
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18K03102
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
川乗 賀也 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授 (20725113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 道生 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (00582008)
堀内 聡 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (20725999)
前田 佳宏 東日本国際大学, 健康福祉学部, 准教授 (60907921)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ため込み症 / 片付け / ゴミ / CIR / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
ため込み症とは,価値がないものでも捨てることができないこと,それに伴う生活空間のとり散らかりといった症状に伴って,本人または第三者が機能障害を呈する精神疾患である。 ため込みを測定する尺度としてClutter Image Rating があり本研究では生活支障度と関連させて検討するものである。令和3年度は岩手県A市B地区の高齢者世帯199世帯を対象として,ため込み行動を示す世帯割合を調査した。 A市B地区の65歳以上の高齢者が居住する2400世帯のうち,現実的な制約から,200世帯を調査することを目標に定めた。2400世帯をリストアップし,65歳以上の夫婦のみで暮らしている夫婦世帯,65歳以上のみ住んでいる世帯,およびそれ以外の一般世帯にグループ分けした。実際には295世帯を訪問し,研究協力が得られたのは,独居世帯44世帯,夫婦世帯47世帯,65歳以上のみの世帯10世帯,および一般世帯98世帯であった。 結果として,199世帯のうち,台所,居間,および寝室のいずれか1つに対して評定が得られた世帯は72世帯であった。場所別にみると,台所は61世帯,リビングは70世帯,寝室は45世帯から回答が得られた。127世帯は自宅の生活空間に調査員を招き,CIRに記入させることを拒否した。72世帯のうち,CIRの平均点が4以上の世帯は2世帯(2.8%)であった。 サンプルが72と小さいという制約はあるものの,DSM-5で記載されている2%から6%の有病率と概ね一致した値を得た。わが国でもため込み症のリスクにある高齢者世帯が一定の割合で存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19の影響がなお多大で調査のため現場に入ることができない時期が非常に多かったことがあげられる。 また、本調査では家庭に入り自宅の散らかり状況を伺うことになるため支援者との関係性が十分に取れていないと難しい。さらに、ため込みを呈する当事者自身も支援者が支援が必要と感じていても支援を拒否する傾向があるため調査に入ることが難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はClutter Image Rating と生活支障度を関連させたオンラインによる調査を検討し、対面によらない方法を模索していきたいと考える。 また、これまでの経験から高齢女性にため込みを呈する傾向が強い印象を受けているため予防的な観点からゴミ出しの困難さについても併せて検討したい。
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Causes of Carryover |
コロナの影響が多大であるため研究機関の延長を申請したため次年度使用額が生じた。
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