2022 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of bullying experience of juvenile delinquents on psychological characteristics and delinquency: focusing on the helpers.
Project/Area Number |
18K03103
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
堀尾 良弘 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40326129)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非行少年 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、非行少年の家庭・学校・地域等の生活環境における被害体験、特に虐待、いじめ、犯罪被害等の被害経験に着目したうえで、非行少年の心理特性と非行性の関連について明らかにし、さらに、被害が発生した際に、周囲の援助者の役割についても注目し、非行少年の更生のための手掛かりや回復への手立てを探ることであった。とりわけ、被害体験からの回復における援助者の役割について検討し、更生改善の有効な処遇を検討することであった。 最終年度は、これまで集積したデータの再分析を試みた。これまでは十分に示すことができなかった援助者の役割について明らかにすることができ、日本犯罪心理学会第60回大会で研究成果の発表をした。また、この研究結果は、海外の心理学ワークショップでも議論された。具体的には、非行少年は学校・施設関係者に対して、家庭内の父親に対する援助要請と同程度に自らの被害についての援助要請をしていることが明らかとなり、学校・施設関係者の果たす役割の大きさを示すことができた。また、一方で、非行少年は非行歴のない一般青年よりも、自分自身が受けた被害が大きかったとしても援助要請をしない傾向も明らかとなった。その理由としては、援助を求めると「さらにひどい目にあう」という不安が強く、それが援助要請を抑える要因になっていることが示された。元々、非行少年は無気力や怒りを感じやすく、特に非行少年の中でも援助要請をしない人は、何かに取り組んでもうまくいかないという「失敗不安」を感じやすい傾向にあることから、このような非行少年の特徴を理解しながら支援することの重要性が示唆された。 研究期間全体として、非行少年の被害経験と心理特性・非行性との関連を示し、さらに、非行少年の更生のための手掛かりや回復への手立て、とりわけ、被害体験からの回復における援助者の役割を示すことができ、有意義な研究成果を得たと言えよう。
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Research Products
(2 results)