2021 Fiscal Year Research-status Report
思春期となった極低出生体重児のアセスメントと支援に関する追跡研究
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18K03115
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
森岡 由起子 聖学院大学, 心理福祉学部, 特任教授 (70113983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 康順 大正大学, 心理社会学部, 准教授 (30803415)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 極低出生体重児 / 学齢期 / WISC-Ⅲ / 発達のアセスメント / 学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年7月以降調査対象者が山形県在住であることから、森岡はコロナ蔓延状況のなかで山形に出張することはできず、協力者である榎本を中心にNPO発達支援研究センター(山形市小荷駄町)にて極低出生体重児で生まれ小学生・中学生となった対象者約15名に対して月1~2回の学習支援を継続。 また、森岡はNPO発達支援研究センターに来所した保護者約10名に対して、月1回Zoomによる親のカウンセリングを実施。 医療の場での支援は、山形県立中央病院が東北で唯一の感染指定病院でもあることから、県外の者は一切立ち入ることができず、2022年5月現在でもその状態は続いている。このことから、2021年度はこれまでのアセスメントと支援に当たった対象者約120名のデータ入力と解析の統計的作業を行った。 知的能力検査WISC-Ⅳの結果をクラスター分析したところ、4群のタイプ(問題なく平均的、全般的低下、知覚統合能力低下、処理速度低下)に類型化された。また、子どもの行動上の問題を評価するCBCL(親用)、TRF(教師用)の比較検討を行った。その結果、小学生時代は親より担任教師の方が児の「行動上の問題」(多動、友達との関係が結べないこと、反応の少なさなど)を多く評価しているのに対して、中学生になると担任は生徒の「行動上の問題」を親より少なく評価していて、生徒の問題を指摘した教師は少なかった。 われわれは、極低出生体重児は少なくとも義務教育期間のフォローアップが必要だと考えているが、改めて中学生年齢の支援を検討することが課題となっていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で、対象地である山形市の現地調査ができないため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのデータの見直しと、夏休みにアンケート調査を予定している。
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Causes of Carryover |
前年度、未報告分の修正として計上したのみで、今年度は山形で現地調査ができなかったため、研究費を使用しなかった。 次年度は、夏休みのアンケート調査などに使用する予定である。
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