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2019 Fiscal Year Research-status Report

外傷性脳損傷者の前頭葉機能障害のテレリハビリテーション:行動・脳波指標による検討

Research Project

Project/Area Number 18K03117
Research InstitutionMeisei University

Principal Investigator

柴崎 光世  明星大学, 心理学部, 教授 (00325135)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords外傷性脳損傷 / 前頭葉機能障害 / テレリハビリテーション / 認知リハビリテーション / 脳波
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,慢性期の外傷性脳損傷(TBI)者を対象に,インターネットを利用したデリバリー型リハビリテーション(テレリハ)による在宅ベースの前頭葉機能リハを実施し,その有効性について行動及び脳波データの両側面から検討することを目的とした.2019年度は,前年度に引き続き,前頭葉機能(ワーキングメモリと遂行機能)の促進をねらいとした在宅認知プログラムの開発(研究1)を進めると同時に,本研究で実施するテレリハの効果測定のための評価課題の開発ならびに基礎データの収集に着手した(研究3).
研究3では,視空間的及び言語的N-back課題(ワーキングメモリ課題),反応抑制課題(遂行機能),表情認知課題(社会的認知)の3つの脳波課題を開発し,健常成人を対象に基礎データを収集したところ,まず,ワーキングメモリ課題に関して,記憶負荷の違いが中心・頭頂正中部のP300(刺激呈示後300ms後に観察される事象関連電位成分)の振幅に影響すること,記憶すべき項目のモダリティ(視空間または言語)の違いが前頭部のP300潜時に影響することがわかった.次に,反応抑制課題では,反応抑制が求められる事態では一貫して前頭部のP300に影響が生じる一方,反応抑制のタイプの違い(ストループまたはNo-go課題)によって影響を受けやすいP300指標(振幅または潜時)が異なることが示唆された.
以上の結果から,研究3で開発したワーキングメモリ課題と反応抑制課題の2つの評価課題の特性が明らかとなり,これらの課題の条件設定の妥当性をおおよそ確認することができた.なお,社会的認知の評価指標となる表情認知課題については,現在,データ収集をおこなっているところである.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究1におけるテレリハプログラムの開発は順調に進んでいる.ただ,大学生及びTBI者に一週間程度タブレットパソコンを貸し出し,開発中のプログラムのユーザビリティ及びアクセシビリティについて評価を求める研究2については,3月中に実施する予定であったが,新型コロナウィルスの感染拡大による物流への影響で希望している機種のタブレットパソコンが入手できなくなり,また,外出自粛により出校やリハビリ施設への通所が制限されるなか,研究参加者と面会することも難しくなった.さらに,研究3に関しても,新型コロナウィルスの影響により脳波実験の実施が困難となり,3月以降,表情認知実験のデータ収集が中断したままとなっている.これらの理由により,本研究の進捗は遅れていると考えられる.

Strategy for Future Research Activity

研究2に関して,まず,タブレットパソコンについては,本研究で必要とする機能の見直しをおこなったうえで,現時点で入手可能な機種を選定し,できるだけ早期に必要な台数を確保する.また,本学における出校禁止措置が解除されたら,なるべく早く学生に研究協力を依頼し,開発中のテレリハプログラムについて評価をおこなってもらう.TBI者については,現在は,協力いただいているリハビリ施設の再開の目途が立っていない状況であるが,個々の対象者との面会が可能となった時点で,できるだけ早期に研究2への参加を依頼する.
研究3については,心理学界や近隣の大学における生理実験の実施の状況を確認し,学内の感染予防担当部署との調整をはかりつつ,脳波実験を再開する時期を検討したい.

Causes of Carryover

<次年度使用が生じた理由>
前述のように,購入を予定していたテレリハ用のタブレットパソコンが,新型コロナウィルスの感染拡大に伴う物流への影響で入手困難となり,購入できなくなってしまったため.
<使用計画>
本研究で必要とするタブレットパソコンの機能の見直しをおこなったうえで,現時点で入手可能な機種を選定し,必要台数を購入する.購入にあたっては,上記の次年度使用額を使用する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Effects of handedness on early perceptual processing in faces reflected by the P100 ERP component2019

    • Author(s)
      Shibasaki, M., & Morita, Y.
    • Organizer
      The 42nd edition of the European Conference on Visual Perception
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 顔特異的ERP成分(N170)の個人差と顔知覚能力および表情認知能力との関連性に関する研究2019

    • Author(s)
      森田悠希・柴崎光世
    • Organizer
      日本心理学会第83回大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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