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2020 Fiscal Year Research-status Report

外傷性脳損傷者の前頭葉機能障害のテレリハビリテーション:行動・脳波指標による検討

Research Project

Project/Area Number 18K03117
Research InstitutionMeisei University

Principal Investigator

柴崎 光世  明星大学, 心理学部, 教授 (00325135)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords外傷性脳損傷 / 前頭葉機能障害 / テレリハビリテーション / 認知リハビリテーション / 脳波
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,慢性期の外傷性脳損傷(TBI)者を対象に,インターネットを利用したデリバリー型リハビリテーション(テレリハ)による在宅ベースの前頭葉機能リハを実施し,その有効性について行動及び脳波データの両側面から検討することを目的とした.2020年度は,前年度に引き続き,前頭葉機能の促進をねらいとしたタブレットパソコンによるテレリハプログラムの開発(研究1)を進めると同時に,これらのプログラムのユーザビリティ評価(研究2)ならびに,本研究で実施するテレリハの効果測定のための事象関連電位(ERP)課題の開発と基礎データの収集を実施した(研究3).
研究2では,研究1で開発した遂行機能とワーキングメモリを標的とする4つのテレリハプログラムを大学生6名とTBI者2名に体験してもらい,各プログラムのユーザビリティに関して理解度,操作性,視覚的・聴覚的良さ,興味・持続性の4つの側面から評価するよう求めた.その結果,大学生において各因子の平均評定値が7段階中すべて6以上と高く,TBI者においてもほとんどの項目について6以上の高い評定値が得られたことから,これらのプログラムが適切なユーザビリティを備えていることが確認された.一方,研究3では,前年度に開発とデータ収集をおこなった2つのERP課題(遂行機能課題とワーキングメモリ課題)に加えて,社会的認知を評価するためのERP課題(表情認知課題)を開発し,大学生を対象に基礎データの収集を実施した.新型コロナウィルスの感染拡大により,脳波実験の進捗が大幅に遅れているものの,現段階で後頭領域(P100)及び前頭領域(P170)の顔関連ERP成分において表情(喜び,恐怖,真顔)の違いが各ERP成分の振幅に影響する傾向が得られている.2021年度も引き続きデータを収集し,本評価課題の特性や条件設定の妥当性について検討を進めていく予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

大学生を対象とする研究(研究2,研究3)では,新型コロナウィルスの感染拡大による本学における学生の出校制限措置のため,対面での個別実験(行動及び脳波実験)が実施しづらい状況にあったことから,研究の進捗が大幅に遅れた.同様に,TBI者を対象とした脳波実験及びテレリハによる介入研究(研究4~6)に関しても,新型コロナウィルスの影響で,本研究のフィールドである通所リハ施設の休止が長らく続き,再開後もリハ教室の開催頻度と規模が大きく縮小したため,対象者に面会しづらく,研究に着手できない状態となっている.これらの状況を鑑み,本研究は予定より遅れていると判断した.

Strategy for Future Research Activity

本研究が対象とするTBI者のほとんどが基礎疾患を有していることもあり,対象者の安全確保を最優先におきながら研究を進めていく.コロナ禍のなか,今年度もTBI者に面会しづらい状況が続いた場合は,本研究で予定していた2つのテレリハ介入研究(研究4,研究5)を1つの研究としてまとめたり,介入群と統制群の人数をしぼったりするなど,研究の規模を縮小することを検討する.あわせて,当初の予定では今年度が本研究の最終年度であったが,状況によっては研究期間を延長することも検討する.

Causes of Carryover

<次年度使用額が生じた理由>
先述のように2020年度に予定していたTBI者を対象とした脳波実験及びテレリハ介入研究が実施できなかったため,これらの研究にかかる経費(脳波測定用消耗品代,対象者への謝金,インターネット通信費,データ解析補助のための人件費など)を執行できなかった.また,研究成果発表をおこなった国際学会及び国内学会がいずれもオンライン開催となったので,これにかかる経費が減少したことも影響している.
<使用計画>
状況が落ち着き,TBI者を対象とした上記の研究に着手できるようになったら次年度使用額を利用しながら,予定していた研究経費の執行を進めていく.また,研究推進のためにリサーチアシスタントの拡大をはかり,このための経費として次年度使用額を充てることも検討する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Cognitive rehabilitation for facial expression recognition in patients with traumatic brain injury: A behavioral and event-eelated potential study2020

    • Author(s)
      Shibasaki, M., Yamamoto, S., Anzaki, F., Morita, Y., Hakamada, K., & Fujii, M.
    • Organizer
      International Neuropsychological Society 2020 Mid-Year Virtual Event
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 顔の知覚に及ぼす利き手の効果―事象関連電位による検討―2020

    • Author(s)
      柴崎光世・森田悠希・袴田皓基
    • Organizer
      日本心理学会第84回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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