2022 Fiscal Year Annual Research Report
Telerehabilitation of frontal lobe function in patients with traumatic brain injury: A behavioral and event-related potentials study
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18K03117
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
柴崎 光世 明星大学, 心理学部, 教授 (00325135)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外傷性脳損傷 / 前頭葉機能障害 / テレリハビリテーション / 認知リハビリテーション / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,外傷性脳損傷(traumatic brain injury, TBI)者の継続的な高次脳機能リハビリテーションを支援することをねらいとして,インターネットを利用したデリバリー型リハビリテーション(テレリハビリテーション,テレリハ)による在宅ベースの前頭葉機能リハビリテーションプログラムを開発し,その有効性を行動及び脳波データの両側面から検討することを目的とした.2022年度は,研究1で開発したテレリハプログラムをTBI者に実施して介入効果の検討をおこなう研究4と,テレリハによる介入効果の般化について検討する研究5をおこなった. 研究4では慢性期のTBI者6名を対象とし,テレリハ群と統制群にランダムに3名ずつ割り当てた.そして,テレリハ群に対してはワーキングメモリ,遂行機能,社会的認知の3つの前頭葉機能を標的としたテレリハプログラムを1日30~60分程度,週5日間自宅にて実施するよう依頼した.統制群に対しては上記の前頭葉機能を刺激するワークブックをテレリハ群と同時間・同頻度で自宅にて実施するよう求めた.約7か月の介入の後,その前後に実施した評価課題の結果を各群で比較したところ,行動データについては両群に大きな違いは認められなかったが,脳波データではテレリハ群において介入後にワーキングメモリ,反応抑制,表情認知の各機能と関係する事象関連電位成分(P300,P170)の振幅が前頭前野から頭頂葉にかけて増大する傾向が観察された.したがって,症例数は少ないものの,脳活動指標においてはテレリハによる継続的な介入が前頭葉機能の改善により影響しやすい可能性が示されたといえる. 一方,介入の前後に実施した般化課題の結果に関しては,テレリハ群・統制群ともに介入後に目立った変化が認められず,介入前の成績が維持された(研究5).
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Research Products
(2 results)