2020 Fiscal Year Research-status Report
発達に課題がある子どもへのチームスポーツ指導プログラムの開発とその評価
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18K03119
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
藤後 悦子 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (40460307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 恵 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (30454185)
井梅 由美子 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (30563762)
三好 真人 比治山大学, 現代文化学部, 講師 (50758505) [Withdrawn]
内田 匡輔 東海大学, 体育学部, 教授 (00407983)
吉岡 尚美 東海大学, 体育学部, 教授 (60372950)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 合理的配慮 / ジュニア期 / スポーツ / 教材開発 / 指導者 / 保護者 / 地域スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
小学生の子ども達の課外活動の一つであるスポーツは、地域スポーツが主な活動の受け皿となる。通常学級に約6%いると想定される合理的配慮が必要な子ども達も、地域スポーツに参加している。しかし、地域スポーツの指導者や送迎や当番で地域スポーツに関わる保護者達は、合理的配慮の視点を学ぶ機会が少なく、当該児童に不適切な対応を取ってしまう可能性がある。そこで本研究は地域スポーツに関わる保護者や指導者を対象とした、合理的配慮が必要な子どもへの対応方法や指導者や保護者の困り感の実態把握を行い、それに基づいた教材開発を目的とした。 本年度の研究成果としては、昨年度の研究が査読付き論文に掲載された。研究内容は、地域スポーツに参加している小学3年生から6年生までの母親800名の親を対象に調査を行い、地域スポーツにおける気になる子の出現率と保護者の精神的負担度を検討したものであった。また教材開発の予備調査として地域スポーツを含む習い事を行っている小学生の母親200名を対象に絵本教材を使用した介入研究を実施し、成果を得た。この研究も査読付き論文である、早期発達支援研究とモチベーション研究に掲載された。 さらに、新しく実施した研究内容としては、配慮が必要な子どもへのペアレンティング尺度の開発のためのオンライン調査を実施した。データは予定通りに収集され、現在分析中である。 教材開発では、親用の教材と指導者用の教材を開発している。親用の教材は、既存のイラストを用いた子どもとの接し方に関する教材を開発し、その効果測定を行った(現在分析中)。なお、指導者用教材は、当初学生の協力のもと実写での動画教材の開発を予定していたが、新型コロナウイルス感染症禍でそれが不可能となったために、オリジナルのイラストを使用した教材開発に変更した。内容の構成は完成しており、現在イラストレーターとイラストについて打ち合わせを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、1~2年目に実施した調査について3つの論文が掲載された〈早期発達支援研究2本、モチベーション研究1本)。その他に今年度の主な研究内容は、教材開発と量的調査の実施であった。教材開発に関しては、親用の教材開発と指導者用の教材開発を平行して行った。親用の教材と指導者用の教材は、当初学生を動員して実写版の動画教材の作成を予定していた。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で学生の動員が不可であったことと、体育館の使用も不可であったことから、急きょ教材を動画ではなくイラストに変更した。親用の教材は、既存のフリーイラストを用いて作成したために、すでに完成した。指導者用の教材は、イラストレータに頼んだために、現在最後の打ち合わせを行っている。教材案はすでに作成しており、後はオリジナルイラストの完成を待つのみである。なお、教材の効果測定については、親用はオンライン調査で実施した。指導者向けに関しては、2022年度教材が完成した秋以降に実施予定である。 上記に加え、量的調査として、200名の合理的配慮の子どもで習い事を行っている保護者を対象に合理的配慮のペアレンティング尺度開発に関するオンライン調査を2回行った。現在得られたデータを分析中である。 また、2022年度に向けて実写版の動画を用いた教材開発を行うため、iPadを購入してフィールドで撮影を開始した。加え運動遊びの視点からの動画教材の開発に向けて、2022年度から新たに運動遊びの専門家に共同研究に加わってもらう。現在、共同研究による教材開発に向けた事前の打ち合わせを複数回行い、準備を整えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、指導者向けの質問紙調査を実施予定である。合理的配慮の視点と、保護者との関係も含めた内容を実施予定。教材開発は、イラストに基づいた親版と指導者版は、予定通りに作成できている。指導者版に関しては、夏過ぎに学生対象、および体育協会と連携して地域スポーツの指導者を対象とした効果測定も予定している。 さらに、今年度は運動遊びを専門としている共同研究者に加わってもらい、合理的配慮が必要な子どもに対して、定型発達の子ども達と一緒に行える運動遊びの動画教材を実写版で作成する予定である。 4年間で得られた研究データは、引き続き学会誌に投稿予定である。また教材は多くの人に使ってもらうために、シンポジウムを開いて教材開発の意義を伝えたり、HPに無料公開を行ったり、各種研修を通して普及する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の関係で動画撮影が難しくなり、研究費の繰り越しが決定したため
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Research Products
(10 results)