2018 Fiscal Year Research-status Report
レジリエンス醸成を目指した高等教育課程へのポジティブ教育の導入と縦断的効果検証
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18K03120
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 かおり 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (20447808)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Positive Education / Higher education / well-being / resilience / character strengths / VIA / PERMA / longitudinal study |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化に始まり、ひきこもり100万人時代、8050問題をも抱える本邦において、「精神的に脆い」と言われる若者たちが、「予測出来ない厳しい世の中」を生き延びていけるように教育しておく必要性に駆られている。義務教育では手つかずの、resilienceの向上を意図した教育、つまり、学生自らが自身の健康度合い(well-being)を高めていけるような機会を設けるべく、高等教育機関における初年次教育にPositive Education(以下、Pos iEd)のエッセンスを取り入れ、その効果を縦断的にも検証し始めている。 2016年度入学生を対象にPosi Edを提供したpre-post検証では、PERMA-KITの下位尺度のうち、Positive Emotion、(t =2.43, df=34, p<.05)、Relationship、(t =3.02, df=34, p<.01)、Meaning、(t =3.08, df=34, p<.01)、Overall、(t =2.96, df=34, p<.01)、KIT(大学適応に関する3項目): (t =2.61, df=34, p<.05)の5領域において有意差がみられ、入学後1年間で肯定的な気持ちや人間関係(Posi Edで強調する「Relationship」)の充実、日常生活のなかで何がしか「意味」=Posi Edで強調するところのMeaningを見出していく度合いが高まることが示唆された。 一方、何かに従事し熱意をもって取り組んでいけるような「Engagement」や、結果として何がしか達成感が得られるような「Achievement」の値が有意に上昇するには1年間では足りず、更に時間が必要かと考えられる。 次に、2017年度入学生の3クラス(1クラスのみ実験群)を対象とした比較検証をしたところ、前年度とは様相が異なる結果が得られた。2017年度入学生は、学科問わず3クラス共に「心身の健康度合い」が有意に低下し、多忙にならざるをえない一年次の生活の中で、学生が徐々に疲弊していく様子が伺えた。学生生活のなかで時と共に諸々「慣れ」が生じることで、2年次以降、彼らの「心身の健康度合い」が好転していくのかどうか分析が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎年度、一部の新入学生を対象にPosi Edを提供し、統制群との比較や縦断的な効果検証をし、その結果を主に国内外の学会で発表している。Posi Edの質的向上を図るために、情報収集しながら内容の構成についても継続的に検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断的検証のデ-タを整理すると共に、結果に関わる要因(入学前の学力、入学後の成績、課外活動などへの参加度合い etc.)の分析も必要となってくる。
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Causes of Carryover |
3.11を経ての発病と入院などで時間的lossが生じたり、出版情報の取得が遅れての書籍購入のtimingのズレなど
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The Japanese Workplace PERMA-Profiler: A validation study among Japanese workers2018
Author(s)
Kazuhiro Watanabe, Norito Kawakami, Toru Shiotani, Hidehiko Adachi, Kei Matsumoto, Kotaro Imamura, Fumino Yamagami, Kaori Matsumoto, Tomoko Muraoka, Tomomitsu Kagami, Akihito Shimazu, Margaret L. Kern
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Journal Title
Journal of Occupational Health
Volume: 60
Pages: 383-393
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] The Japanese version of the Workplace PERMA-Profiler: a validation study of the measure for well-being at work2018
Author(s)
Kazuhiro Watanabe, Norito Kawakami, Toru Shiotani, Hidehiko Adachi, Kei Matsumoto, Kotaro Imamura, Fumino Yamagami, Kaori Matsumoto, Tomoko Muraoka, Tomomitsu Kagami, Akihito Shimazu, Margaret L. Kern
Organizer
International Congress on Occupational Health
Int'l Joint Research
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