2019 Fiscal Year Research-status Report
レジリエンス醸成を目指した高等教育課程へのポジティブ教育の導入と縦断的効果検証
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18K03120
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 かおり 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (20447808)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Positive Education / resilience / well-being / signature strength / 高等教育機関 / 初年次教育 / 縦断的効果検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、金沢工業大学の新入生に対してポジティブ教育を行い、それにより、ポジティブ心理学により明らかにされてきた健康度合いを維持発展させる力、すなわち、レジリエンスの陶冶に貢献できるかどうかを検証し、もって、金沢工業大学における試みを国内に敷衍するための基礎データとすることである。
研究実施計画として、2019年度もこれまで同様、新入生1クラスを対象に positive educationのエッセンスを含めた初年次教育を実施した。前期開始時、学生はwell-being測定の為にPERMA、resilience測定の為に「Brief Resilience Scale:BRS」にも回答した。加えて、4月早々にVIAを受検し自分の「強み」を把握した上で、自身の強みを日頃から発揮するには何処でどのように・・・といったグループディスカッションの場を設けた。学生は強みの活用を継続するよう指示され、授業内でも様々な試みが実施された。学生は「強み」の発揮が継続出来ているか確認する為に、夏季休暇前と後期終了時に「強み活用尺度:SUS]に回答した。後期終了時に再度上述の尺度に回答することで、彼らのwell-beingの変化を測定し、そこにどのような要因(入試形態、能動性の度合い、成績)が影響していそうか検討する。
2019年度入学生のデ-タは入力を終えたところである。2020年4月の時点では2018年度入学生の結果分析が終わりつつあり、PERMAのpre-post検証において有意差はみられていない。しかしながら学生の能動性を客観的に評価すると、学生の能動性はPERMAのPositive Emotions, Meaning, Accomplishment,大学への所属感と相関していた。成績とPERMAの結果に相関関係は見られなかった(結果一部割愛)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
闘病中であり、2018年、2019年と入退院が続いているところに2020年初頭からのCOVID-19も加わり、年度末の調査実施(2016年度入学生)や、2~3年生に対するデ-タ収集も遅れてしまった。研究全般に少なからず影響が生じている。
2018年度入学生のデ-タについては2020年7月開催予定であったThe 32th International Congress of Psychology:ICP@Pragueで発表する予定であったが、COVID-19にて学会自体が1年延期となってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
毎年度の授業実施は継続するが(2020年度入学生)、WEB授業となっているため1年間を通しての効果検証については一律に扱えない。対面授業が可能になった時点で、2~4年生に対する研究協力依頼をする予定である(縦断的効果検証)。
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Causes of Carryover |
本務雑務で多忙過ぎ、研究遂行に割く時間が無い。加えて度重なる入退院もあり、研究遂行が予定通り進まず、予定していた学会参加などもキャンセルせざるをえない状況が続いている(2019年8月開催だった国際学会への参加も見送った)。
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Research Products
(4 results)