2021 Fiscal Year Research-status Report
レジリエンス醸成を目指した高等教育課程へのポジティブ教育の導入と縦断的効果検証
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18K03120
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 かおり 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (20447808)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Positive Psychology / Positive Education / well-being / signature strength / 高等教育機関 / 初年次教育 / 予防教育 / 縦断的効果検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
何事もお膳立てされ、「与えられすぎた」環境下で育ってきたと言われる昨今の学生達が、上手くいかない状況に陥った際に挫折せず立ち直っていけるかどうかは、彼らのresilienceに依るところが大きい。 本研究の目的は、心理学を専攻する大学1年次に対し、Positive Psychologyのエッセンスを含めた初年次教育を提供することで、学生の「より良い状態」(wellbeing)やresilienceが増強するかどうか、縦断的に検証することであった。しかし、鍛えるには時間がかかると見做される環境下においては、resilienceへの着目より先に有効な手立てが必要であった。まずは大学生活において、自身の「強み」を適切に活用することが、wellbeingを増強する予防教育として有効であろうと仮説を立て、「強み」活用の度合いとwellbeingのありようをPERMAを用い測定した。 コロナ禍による制限がかかる前、学部1年生を対象にした介入の結果、入学時から1年後には、学生のAccomplishment(達成)の値が有意に高くなっていた。Positive Emotion、大学への所属感は、1年後、有意傾向に上昇していた。成績とPERMAの各項目との間には、年間を通し関連性はみられなかった。「強み」の活用度合いは、後期を終えた時点であれば、wellbeingの在り様との間に、有意な正の相関がみられた。 以上、結果の一部を国際学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度同様、COVID-19に依る制限された環境下において、データ収集にかかるアクセスに不都合が生じるようになった。年度末には再度の入退院が生じ、進捗に更なる遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
未分析の年度が残っているため、順次のデータ入力と解析を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍引き続きにかかる環境整備と授業準備に加え、多くの学生(カウンセリングも含む)対応に追われ続け、例年以上に研究に割ける時間が無くなった。 海外の大学における実践例を見学できないまま今に至る。見学についてはメキシコの大学から快諾頂いていたが、コロナ禍となり情勢も大きく変わったため、状況を見ながらの海外出張を検討していく。
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Remarks |
https://researchmap.jp/read0156130/
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