2022 Fiscal Year Research-status Report
青年期の解離性自傷に対する訪問型心理教育プログラムの開発
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18K03121
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
舛田 亮太 椙山女学園大学, 人間関係学部, 准教授 (30547055)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自傷 / 解離 / 心理教育 / トラウマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1.解離性自傷を説明するための心理教育テキスト作り、2.作成したテキストを高校大学で実施すること、3.心理教育実践の効果検証であった。2022年度は、2020-2021年度に引き続きCovid-19の状況下にあったため、対面式の教室内で心理教育及び調査を行うことは困難であった。従って、2022年度も、Covid-19流行以前に収集したデータを中心に分析を行った。第1に、高校生用テキストを用いて、教育関係者を対象に心理教育を行った自由記述データを分析した。教育関係者37名のうち,研究協力利用の同意が書面で得られた37名を分析対象とした。結果、分類コードの視点は1.説明の技術的側面(専門用語の分かりやすさ、模擬教材として使用する架空事例の記載など)、2.教材の内容的側面(傷つきやすさ、自傷につながり得るサインなど)、3.用途的側面(教育関係者の研修会使用など)に大別された。2021年度に発表した高校生データの共通要因(「自身のメンタル管理も意識する」「しっかり休む」など)と比較すると、受講者側(高校生)だけでなく、教育関係者側にもメンタルヘルスに関する臨床心理学教育導入の重要性が窺えた。今後の課題として、教材で扱う内容における汎用性、専門性のバランスの難しさが挙げられた。 第2に、遠隔で心理教育を実施する場合の心理的安全感について資料収集し、論考をまとめた。結果、(1)遠隔支援を受ける状況のアセスメント、(2)心理教育実践中における受講者理解度の判断、(3)遠隔支援実施事後の振り返り、の3点に集約された。従って、心理教育時の情報だけでなく、受講者側の状況を想定したチーム支援が重要になる可能性を提言した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響により、対面で大学生、高校生に対する追加調査は行うことができなかった。また学会発表は、web大会であるものの調査に関する意見交換を行うことはできた。しかし、どのような内容を模擬教材の架空事例としてまとめていくべきかといった議論は困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度もCovid-19の状況下にあったものの、本テキストによる心理教育を社会人を対象に、感染対策を行いながら対面で行うことができた。結果、少人数であるもののデータ収集が可能となった。分析結果については、2023年度に発表予定である。従って最終年度は、これまで収集した高校生・大学生・教育関係者・社会人の自由記述データを比較検討し、心理的安全感に関する論考とあわせて研究成果をまとめたい。
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Causes of Carryover |
各種学会がweb大会に切り替わり、出張旅費が発生しなかったため。重ねて、データ収集のための出張調査も行うことができなかったため。
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