2019 Fiscal Year Research-status Report
セルフ・コントロールの二元性に注目した長期行動計画の有効性
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18K03122
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
杉若 弘子 同志社大学, 心理学部, 教授 (90257171)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セルフ・コントロール / 行動の抑制と開始 / セルフ・コントロールの二元性 |
Outline of Annual Research Achievements |
セルフ・コントロールは、「衝動性の抑制」や「満足の遅延」を意味する用語として扱われることが多く、その機能の中核は、「(望ましくない、あるいは不適切な)行動の抑制」にあるとされてきた(Baumeister et al., 2007;McKee et al., 2014)。しかしながら、セルフ・コントロールには、もう一つ「(望ましい、あるいは適切な)行動の開始」という重要な役割が存在する(De Boer et al, 2011;De Ridder et al., 2011;Hoyle et al., 2016;杉若, 1998)。本研究の第一の目的は、セルフ・コントロールの二元性を検証することにある。2019年度は、理論先行で提唱されてきた「セルフ・コントロールの二元性」を実証的に示すためのデータ収集を行った。従来の関連研究で広く用いられてきたセルフ・コントロール尺度(Self-Control Schedule(Rosenbaum, 1980);Redressive-Reformative Self-Control Scale(杉若, 1995);Self-Control Scale(Tangney et al., 2004)など )ならびに関連文献から収集された64項目をもとに質問紙を作成し、大学生304名を対象に調査を実施した。データの入力とチェックを済ませ、現在は、データ解析を続行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データの収集と整理に想定以上の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19対策の影響により、現状では、学内において人を対象とする実験研究が実施できない。よって、当面は、前年度に取得したデータの解析を進めるとともに、「行動の抑制」あるいは「行動の開始」との関連が予想される指標についての情報収集を継続する予定である。今年度に予定されていた国際会議もキャンセルされたため、Web会議やメイル交換による研究交流を進めたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、年度末に予定していた海外出張ならび国内出張が全てキャンセルになった。今年度においても、研究成果を発表する予定であった国際会議等がすでにキャンセルされている状況である。データの整理や解析に際してのリサーチアシスタントの活用や、当初予定にあったアナログ実験実施に向けた研究備品の購入や準備等に有効活用していきたい。
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Research Products
(1 results)