2023 Fiscal Year Research-status Report
セルフ・コントロールの二元性に注目した長期行動計画の有効性
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18K03122
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
杉若 弘子 同志社大学, 心理学部, 教授 (90257171)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | セルフ・コントロール / Inhibitory control / Initiatory control / 小児偏頭痛 / 痛み |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年4月~9月の在外研究を契機に着手した国際共同研究の成果の一部を公刊・公表した。 1.偏頭痛の自己管理にみる2つのセルフ・コントロールの役割:Psycho InfoとPub Medによって抽出された関連文献を対象に、児童・青年期の偏頭痛の自己管理において、2つのタイプのセルフ・コントロールが果たす役割を検討した。2つのセルフ・コントロールとは、症状を悪化させる行動を避ける(あるいは減じる)「Inhibitory control」と、症状を予防(あるいは軽減)する行動を増やす「Initiatory control」である。児童・青年期の偏頭痛に対するエビデンスに基づく治療的介入や医師によって提案される対処法には、「Inhibitory control」と「Initiatory control」の双方が含まれていることが明らかになった。当該患者に求められるセルフ・コントロールの特徴を把握することにより、低年齢の対象者にも分かりやすい自己管理の方法を呈示できれば、多様な治療的介入に対するアドヒアランスの向上が見込めるだろう。研究成果は論文としてまとめられ、Journal of Pediatric Psychologyに掲載された(https://doi.org/10.1093/jpepsy/jsad084)。 2.痛みに関わる不安と恐怖のアセスメント:痛みに関連する不安、恐怖、抑うつ、全般的な否定的感情を評価するための尺度の日本語版(Japanese version of the Brief Assessment of Distress about Pain: BADP-JP)を開発するとともに、痛みと恐怖に関する日米韓3カ国のデータ比較を行った。前者の研究成果は、11月に米国シアトルで開催されたアメリカ認知行動療法学会第57回大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に続き、研究目的のマクロな視点を維持しながら、研究データの収集と分析、公表に従事した。
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Strategy for Future Research Activity |
国際共同研究で得た研究成果の公表を進めるとともに、国内で収集したデータの分析と論文執筆を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、出席・発表を予定した国際会議への参加が十分に実施できていなかった影響が大きい。次年度に使用可能な金額は、登録済みの国際学会への参加やリサーチアシスタントの雇用、研究実施に関わる備品の購入等に有効活用する予定である。
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Research Products
(3 results)