2018 Fiscal Year Research-status Report
児童養護施設入所児の愛着と適応に関する縦断研究-幼児期と青年前期の比較ー
Project/Area Number |
18K03125
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
桂田 恵美子 関西学院大学, 文学部, 教授 (90291989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷向 みつえ 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (20352982)
赤澤 淳子 福山大学, 人間文化学部, 教授 (90291880)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 愛着 / 適応 / 幼児期 / 青年前期 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は児童養護施設入所児の幼児期と青年前期における愛着の変化や愛着と適応との関連について縦断的に検討することを目的としている。幼児期の愛着表象についてはすでに以前の科研研究で測定しているので、その時に参加してくれた子どもたちの愛着表象を測定し、現在の適応状況を評定することが主な作業となる。 2018年度の計画としては、以下の項目があげられた1)施設への研究協力要請および研究実施計画に関する話し合い、2)研究メンバーによる質問紙・面接項目の精査と作成、3)AAP (Adult Attachment Projective) 実施の訓練、4)2018年度で施設を退所してしまう対象者へのAAP・質問紙・面接の実施。 1)に関しては、以前の研究に参加してくれた児童養護施設の施設長にご挨拶に行き、改めて研究参加の了承を得た。また、幼児期に研究に参加した子どもたちも在園している者はほとんどが参加してくれるとの同意を得ている。2)に関しては、11月に研究代表者と研究分担者が一堂に会し、子どもの適応に関してどのような質問紙でデータを取るのかを決定し、面接項目も決定した。3)について、AAPは8枚の絵を見せて参加者に物語を作ってもらうものである。それは、一定のやり方があるので、11月の会議において、そのやり方を習得している研究代表者が研究分担者に対して教え、実際にお互いに実施してみるという形で訓練を行った。4)福井の施設において2018年度末に高校を卒業する子どもが1名おり、その1名については、12月中にAAP・質問紙・面接を実施した。 また、春休み中の方が子どもたちの時間があるということで、大阪の一施設においては3月下旬から、AAP・質問紙・面接を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要に記述したように、本年度計画したことは全て終了しており、大阪の施設ではすでにデータ収集が始まっており、計画よりもほんの少しではあるが進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
大阪の施設でのデータ収集(AAPや面接の実施)は引き続き行い、できるだけ、5月中に終わる予定にしている。福井の施設でのデータ収集はこの5月の連休中に研究代表者も加わり、2名で実施する予定である。できるだけ、1度に全ての実験対象者からのデータ収集を終了させたいと考えているが、不可能な場合は、2019年度中にもう一度実施することも予定している。
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Causes of Carryover |
大阪の施設は2か所あるが、データ収集は当初、研究分担者一人が担当する予定であった。そのための交通費などを計上したが、その交通費を必要とする施設におけるデータ収集はできていないため予算額を使用しきれず、次年度使用が生じた。本年度は研究分担者一人ではなかなかデータ収集が進まないので、アルバイトを雇い、データ収集の補助とする予定である。次年度使用額の分はそのアルバイト謝金にあてる予定である。
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