2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of the Metacognitive Training (D-MCT) on making comeback to the working world
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18K03131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石垣 琢麿 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70323920)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | うつ病 / メタ認知 / トレーニング / ワークショップ / 研修会 / 臨床研究 / 尺度 / リワーク活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の科研費により、2019年2月に石垣・森重監訳/原田訳「うつ病のためのメタ認知トレーニング―解説と実施マニュアル」を金子書房より出版できた(原著はJelinek et al.(2014)Metakognitives Training bei Depression. Beltz)。また、同年8月には、ドイツ・ハンブルク大学より、D-MCTの開発責任者であるLena Jelinek教授を招聘して、MCT-Jネットワーク主催のワークショップと、日本認知療法・認知行動療法学会での講演会を開催することができた。MCT-Jネットワーク主催のD-MCT研修会は、2020年度にもオンラインで開催することができ、D-MCTの普及とトレーナー(治療者)の養成を促進することができた。 一方で、新型コロナウィルスの蔓延により、研究目的の1つであったリワーク活動での実践が難しくなり(集団活動自体が難しくなったため)、アウトカムの量的な分析はできなかった。しかしながら、リワーク活動とそこで実践されていたD-MCTに参加していた複数の事例検討は可能であった。全8回の参加でメタ認知機能の十分な向上が認められる参加者がいる一方で、複数回、つまり「8×X回」参加しないと十分な効果が現れない参加者がいることがわかった。この差はうつ病発症前の能力や適応状態、あるいは症状の重症度の違いというよりも、D-MCTの原理や方法の理解の程度が大きく影響していると思われ、参加前の準備期間にD-MCTに関する適切な心理教育を行う必要性があると考えられた。ただし、マニュアルでは複数回の参加が否定されているわけではないため、参加者の理解度や満足度によって柔軟に対応することが求められる。
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Research Products
(5 results)