2021 Fiscal Year Research-status Report
エビデンスに基づいたロールシャッハ鑑別診断法の開発
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18K03133
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊藤 宗親 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10282310)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロールシャッハ法 / 鑑別診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロールシャッハ法における平凡反応(P)の出現頻度をカードごとに検討した結果,統合失調症26名,自閉アスペルガー症19名,パーソナリティ障害27名(ほとんどがPBD)の鑑別にはカード6におけるPの出現頻度が鑑別指標として有力であることが示された。すなわち,カード6のPに関しては,統合失調症や自閉アスペルガー症よりもパーソナリティ障害の者が有意に多くのPを産出し,全カードにわたるPの総数は自閉アスペルガー症の方が統合失調症よりも有意に多いことが示された。この成果は,2021年度の国際学会(ICP2020+,on-line)にて報告された。 また,同データのうちP = 0の患者データを除いた者ならびにあらたにP >= 1の者を対象として,Pに使用される決定因について検討を行ったところ,P反応に対する無彩色(黒)の使用が鑑別診断において重要な役割を果たしていることが示唆された。すなわち,有意傾向(p = .068)ながらも自閉アスペルガー症の方が統合失調症よりもP反応生成に黒を用いないことが認められた。この知見は,第25回日本ロールシャッハ法学会において発表された。 さらに,関連する領域として,ボーダラインパーソナリティ障害のロールシャッハ法上の言表現の特徴を実行機能との関連から検討すること,認知症における妄想の特徴をロールシャッハ法上の特徴とともに検討することなどについて,それぞれ所属機関誌(岐阜大学カリキュラム開発研究,38巻)において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響によって,本来業務以外の活動が制限され,また,患者ら研究協力者の感染予防を徹底するため,従前のような協力体制が十分用意できないことに起因する対象者確保に困難を認めたため。
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Strategy for Future Research Activity |
感染予防に努めつつ,可能な限り必要なデータの収集を行っていく。一方で,十分なデータ数が集まらない場合を考え,過去の実施データを選別し,本研究の目的に沿った分析に対応可能な分については,実施方法は異なるものの,鑑別診断に有用な指標策定には指標を来さないため,代替措置としてこれらを進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
2021年度参加の国際学会がオンラインとなり,予定より旅費を使用しなかったため。なお,2022年開催予定の国際学会には参加予定。
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Research Products
(4 results)