2019 Fiscal Year Research-status Report
The Stroop test based on the latest findings of experimental cognitive psychology
Project/Area Number |
18K03137
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
嶋田 博行 神戸大学, 海事科学研究科, 名誉教授 (50162681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱田 裕司 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (50117214)
渡辺 めぐみ 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (50726552)
西村 聡生 安田女子大学, 心理学部, 准教授 (60533809)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ストループ効果 / 逆ストループ / 認知心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
逆ストループ効果に関する実験研究を行い、成果をカナダモントリオールで開催されたPsychonomic Society年次総会で発表した。 臨床検査として、逆ストループ効果を使用することが、研究分担者の業績により、我が国では一般的であるが、海外では逆ストループ効果は検査法として確立されていない。逆に特殊な条件でのみ得られていることが一般に知られている。本研究では、逆ストループ効果に関する最新の実験認知心理学研究を主に反応時間分布の手法で行うことにより、箱田たちの検査が、逆ストループ効果が得やすい状況であり、この結果を一般化することの危険性を突き止めた。日本心理学会で発表ならびにシンポジウムを主宰し発表した。シンポジウムとでは今回の分担研究者、研究協力者が討論を行い、この問題について、深く追及することができた。逆ストループ効果が得られるのは、特別な状況であり、箱田たちの臨床研究が行われた特殊な紙媒体の検査用紙のために生じていた可能性が実験によって裏付けられた。実験室場面での厳密な実験とはことなり、ラフな検査状況で、未確定の逆ストループ効果を測定することの危険性がとらえられた。今後は、ストループ検査が一般に口頭反応で行われるのに対して、ボタン押し等の手の反応 (マニュアル反応) で行われるときの反応の特徴、並びに、刺激側の提示の方法によって、マニュアル反応でも反応が異なる様子を詳しく調べる実験を行い、実験手法に基づいたデータを臨床場面に応用できるかを検討する。厳密な実験場面に比べて、どうしても大雑把になりやすいデータに基づいて、個人差研究を行うことの妥当性についても検討を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験検討を行うとともに、臨床成果について、シンポジウムを開催し、逆ストループ効果が得られた特殊な状況について検討を行い、実験的な検討と合わせて追及できた。特に反応時間分布を使った分析を行うことにより、特殊な実験状況でのみ発生する逆ストループ効果を一般化することの危険性がとらえられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であるので、いままでの成果を踏まえて実験研究をまとめ、臨床研究との突合せを行う。我が国、海外の学会、ジャーナルで成果を公表するとともに、ひろく一般にも公開していく手段を検討する。
|
Causes of Carryover |
初年度の旅費が当初の計画に比べて多くかさんだため、経費を抑えて計画を実施した。実験に関わる被験者に関わる経費を抑えた結果、当初に比べて、経費が少なく実施できたため。
|
Research Products
(2 results)