Development and effectiveness study of a school-wide depression prevention program in part-time high school and correspondence high school

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18K03138
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 尾形 明子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70452919)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 学校における心理的介入 / 認知行動療法 / 高校生の抑うつ / 定時制・通信制高校

Outline of Annual Research Achievements

近年，定時制・通信制高校には，心理的問題を抱える生徒が多く所属し，心理的支援が重要視されている。しかし，これらの高校生の心理適応に関する実証的な介入研究はなく，どのような介入が効果的なのかは明らかとなっていない。本研究では，定時制・通信制高校と連携し，生徒の抑うつ予防を目的とした学級規模の認知行動療法的介入プログラムを実施し，その効果を検討する，またプログラムの有用性についても検討することとしている。
当該年度は，これまでと同様のプログラム実施に加えて，これまでプログラムを受けた生徒のフォローアップ調査のデータ分析やこれまでのプログラムの参加率等の有用性の検討を行い，本プログラムの長期的効果および今後の課題について明らかにした。
本研究全体を通して，COVID-19 の影響により，当初予定していた研究計画通りにいかない部分はあったものの，定時制・通信制高校生を対象とした学級規模の抑うつ予防プログラムの開発を行うことができた。本プログラムは，一定の短期的長期的効果があり，特に，介入前の抑うつのリスク要因の高さによって効果の違いが見られた。また，参加率や満足度といった点からもプログラムの有用性が認められた。高校の教員がプログラムの実施者として参加する形式も試みることができ，現場で実施可能なプログラムのマニュアルの整備を行うことができたといえる。また，プログラム実施者の認知行動療法スキルの変化や教員のソーシャルスキルと心理適応の関連など，学校において予防的な心理学的介入プログラムを実施する際に参考となるデータの検討も行うことができた。