身体志向の心理療法における身体感覚への気づきと自己制御に関する異分野融合型検証

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K03142
• Research Institution: Oita University
• Principal Investigator: 池永 恵美 大分大学, 福祉健康科学部, 講師 (50618072)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 阿南 雅也 大分大学, 福祉健康科学部, 講師 (10517080)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 臨床動作法 / 自己制御 / バイオメカニクス / 身体感覚への気づき

Outline of Annual Research Achievements

本研究課題は、近年注目されている身体志向の心理療法である臨床動作法（以下、動作法）に着目し、身体への注意の向け方の違いによって自己制御の仕方（実際の動作の仕方）やその際の体験がどのように異なるか、また、心理的特性の違いによって自己制御の仕方やその際の体験がどのように異なるかについて検討することを目的とするものである。
前年度（2018年度）は主に、一連の研究で使用する動作時の体験を尋ねるための質問紙（動作感、情動体験感、課題への取り組み方）の作成を行った。
2019年度は、注意の向け方（自体への注意集中条件／自体外への注意集中条件）と心理的特性（不安傾向、アレキシサイミア傾向等）によって動作時の自己制御の仕方や体験が異なるかどうかについて実験を開始、実施した。自己制御の仕方については、バイオメカニクスを専門とする分担研究者の協力のもと、具体的には、筋電計、三次元動作解析装置、床反力計を用い、いくつかの課題動作時の実際の筋緊張や動作について計測を行い、動作制御の仕方を計測した。また、動作時の体験については、前年度に作成した質問紙を用い測定した。被験者は30名を予定しており、3月末の時点で28名に実験を行った。2019年度中に実験を終える予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、年度末の実験実施が困難となり、実験が中断している状況である。2020年度に残りの2名の実験実施、及びデータ解析を予定している。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

年度内には実験を終える見通しであったが、新型コロナウィルスの影響により、対面での実験実施が困難となり、年度末より実験を中断している状況である。現時点で再開の見通しはたっていない。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウィルスの状況が落ち着き次第、実験を再開する予定であるが、実験再開の見通しがたたない場合には、現時点で収集できたデータのみでデータ解析を行う予定である。
また、2020年度は臨床動作法の介入による、身体感覚への気づきや自己制御の変容プロセス、及び介入効果についての検証も行う予定である。

Causes of Carryover

実験が遅れていることから、人件費（被験者に支払う謝礼、データ入力補助者謝金）に余剰が生じたため。2020年度は最終年度にあたることから、予定している実験を全て終了させる予定であり、被験者への謝礼とデータ入力補助者謝金で使用する予定である。