2020 Fiscal Year Research-status Report
心不全に伴う不眠症への段階的ケアシステム構築を目指した非薬物療法の開発と効果検証
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18K03150
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小林 清香 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40439807)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心不全 / 不眠 / 非薬物療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全に伴う不眠は呼吸困難感など心不全特有の睡眠問題を含み、心不全患者の50%に不眠があり、心不全の悪化や死亡と関連することが指摘されてきた(Kanno,2016)。しかし、心不全患者における不眠に対する介入効果の報告は限られており、不眠へのケアについて患者がどのようなニーズを持っているかも十分に知られていない。 本研究では、心不全患者における睡眠の問題を明らかにし、心不全患者の睡眠に対する懸念と支援ニーズを整理することを目的としている。 本年度は、心不全で通院中の20歳以上の者を対象に、インターネット上に設けたWEBサイトにて調査研究を実施した。調査内容は不眠症症状(アテネ不眠尺度・ピッツバーグ睡眠尺度)、気分症状(K6)、QOL(EQ-5D-5L)、睡眠に関して医療者に相談した経験の有無とその有効度等であった。倫理委員会の承認を得て、2020年6月に実施した。 571名(男性359名、女性212名)の心不全患者から回答を得た。そのうちアテネ不眠尺度にて「不眠あり」に該当した者は296名(51.7%)であった。このうち、医療者に不眠を相談した経験がある者は175名(59.1%)であった。医療者への不眠に関する相談が有効であったと評価したのは、5-60%前後であった。 「睡眠に関する助言」「薬の処方」は相談して役立った理由、役立たなかった理由、いずれにおいても回答数が多く、「不眠を重要視・問題視していない」「どこに相談すべきかわからない」「相談しても解決しないと思う」といった理由で、相談行動がとられていないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心不全患者における不眠の実態、不眠に関する支援を受ける行動を妨げる理由、医療者への相談に対する有効性の評価、等、心不全に伴う不眠への支援を考えるうえで必要とする情報の整理が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査結果に基づく「心不全患者の睡眠衛生指導パンフレット」の作成のため、有識者による検討を進める。
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Causes of Carryover |
2020年度は集合での会議開催が難しかったため、2021年度に持ち越し、睡眠衛生に関するパンフレット作製費用、パンフレット作製のための有識者会議のために経費を計上している。
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Research Products
(2 results)